株式会社関電工は、ULSコンサルティング株式会社とともに、概算積算業務の迅速化とベテラン技術者の暗黙知継承を目的とした「自動項目概算システム」を構築したことを発表した。
総合設備企業である関電工は、設備工事の概算積算業務において、ベテラン技術者の豊富な経験と暗黙知に依存しているほか、見積もりの作成から得意先への提出までに1〜2週間もの時間を要していることが課題であった。
これまでには、AI関連サービス事業者と共に2回のPoC(概念実証)を実施したが、思うような成果を得られなかったという経緯がある。
そこで今回、ULSコンサルティングの伴走支援により、「AIによる確率的な処理」と「ロジックによるルールベースの処理」を併用した形でシステムを構築した。
具体的には、過去の類似案件の呼び出しや各工事項目の金額算出はロジックで処理しつつ、AIは自然言語からの情報抽出や得意先ごとの用語・書式のバラつき対応などに活用した。
将来的にAIによる積算ができるようデータの整備を進めつつ、早期にビジネス面の成果を得るためにAI活用の現実解を導き出した形です。
これにより、データ品質の向上を図りつつ、早期にビジネス面の実効的な成果を得る「実務に根ざしたシステム設計」を確立した。
開発プロセスには、完成イメージを段階的にすり合わせていくアジャイル方式が採用された。
まずはプロトタイプを構築して利用イメージや積算精度の認識をすり合わせ、現場からのフィードバックを踏まえて正式版を構築した。
これにより、作業時間は従来の1〜2週間から数十分程度へと短縮され、得意先への見積提示の迅速化が可能となった。
さらに、営業担当者が従来より早いタイミングで概算金額を把握できるようになったことで、営業担当者と積算担当者の認識齟齬の解消が期待されている。
関電工は今後、この自動項目概算システムの処理速度や算出精度のさらなる向上を進めるとともに、既存システム群とのシームレスなデータ連携や、関連業務全体の最適化を図る方針だ。

