サイトアイコン IoTNEWS AI+

NTT、4K映像のリアルタイムAI解析で遠方小物体の検知距離を3倍以上に拡大する映像監視技術を実証

NTT、4K映像のリアルタイムAI解析で遠方小物体の検知距離を3倍以上に拡大する映像監視技術を実証

道路や空港などの社会インフラ監視では、限られた設備や人員で広大なエリアをカバーし、事故や落とし物などの重要インシデントを迅速かつ正確に把握することが求められている。

近年では、画像内の物体認識にとどまらず、状況や文脈まで高度に推論できる視覚言語モデル(VLM)の活用に期待が集まっていた。

しかし、従来のシステム構成では、VLMへの入力時やその前段の処理において画像の縮小処理が行われるため、4Kなどの高精細カメラを設置しても遠方の小さな対象情報が潰れて失われ、1台あたりの監視範囲を広げられない課題が存在していた。

こうした中、NTT株式会社は、自社開発した超高精細映像AI推論LSIを活用し、4K映像を高精細なままリアルタイムに解析することで、遠方に小さく映る対象の検知可能距離を従来比3倍以上に拡大する映像監視技術を実証した。

映像監視技術は、消費電力20W以下の超高精細映像AI推論LSIを前段処理エンジンとして活用し、4K映像を縮小せず毎秒30フレームでリアルタイム解析する仕組みだ。4K解像度を維持したまま対象の位置、速度、移動方向といった「動きの情報」まで高精度に追跡および生成する。

超高精細映像AI推論LSIを前段処理に活用したVLM連携道路監視PoCシステム

さらに、詳細な状況判断が必要なイベントを検知した場合にのみVLM解析を実行する「イベントドリブン処理」を採用した。

VLMに対しては、元の4K映像から対象周辺を切り出した高精細画像と動きの情報を組み合わせて送信することで、送信データ量と処理負荷を抑制する。

PoCシステムにおける処理フロー詳細

1分間の4K事故映像を用いた評価実験では、映像全体を入力する従来方式では判定不能だった事故を正確に判定できた上、VLMへの入力回数を約98.1パーセント削減できることを確認したとのことだ。

評価結果

NTTは今後、NTTイノベーティブデバイス株式会社より、2026年度内に、同LSIを搭載した製品の提供開始を予定している。

また、同技術を各種インフラ監視分野へ広く展開するとともに、生成AIの「目」となる高度な前段処理技術として活用領域の拡大を目指す方針だ。

なお、今回の研究成果は、2026年11月18日から開催される「NTT R&D FORUM 2026」にて展示される予定だ。

モバイルバージョンを終了