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IoTで実世界をシミュレーションすることで未来を予測する ─ITpro EXPO 2016

ITpro EXPO 2016レポート第2弾は、同会場内にて興味を引いた、3D SystemsとNTTコミュニケーションズの展示についてレポートする。

3D Systems

3D systems

3D Systemsでは3Dプリンターを使ったソリューション紹介と展示が行われていた。

3Dプリンターの利用法の一つの事例として展示されていたのは、工場内を3Dレーザースキャンすることで電子データに変換し、3Dプリンターで工場模型を作成するというものだ。

危険が伴うプラントなどにヒトが直接行くことなく、設備などの設置場所について検討を行うことが可能となるということだ。

 

他にも、3Dプリンターで作成された金型の展示も行われていた。

この金型は微細な金属粉末にレーザーを照射し一層ずつ焼結させる工程を繰り返す方法で作成されており、今までの手作業による工程が入る工法に比べると短期間で作成することが可能ということだ。

 

前述の金属金型と同じ工法で作成された、人工衛星用の部品も展示されていた。

人工衛星に使われる部品は、燃料などの制約からできる限り軽量化されている必要があり、人工衛星打ち上げの際に非常に大きな衝撃がかかることから耐久度も求められる。

そのためこのような網目状の構造で軽量化と強度を同時に達成することができる、本部品が採用されたとのことだ。

本部品の形状は、鋳造やプレスといった既存の方法で作成することが難しく、金属3Dプリンターの立体造形に対する優位性が活かされている。

NTTコミュニケーションズ

NTTコミュニケーションズと三井化学は、ガス製品製造過程の炉から得られたデータを、ディープラーニングによってモデル化することで20分後のガス製品の品質を予測することができるという共同開発の事例を展示していた。本展示は、”ITpro EXPO AWARD 2016″も受賞していた。

 

具体的には、ガス製品を生産するための炉から温度や圧力、原材料の流量データなど51種類のデータを取得し20分後の品質を予測するのだ。

品質の悪化が予測される場合には事前に設備を止めて製造ラインの調整を行うことができる。

また、遠隔地にある工場のオペレーションを東京で行うことを想定したテストベットが展示されていた。

クラウドやVPN接続などの通信環境を中心としたテストベッドであり、工場内のタンクの水位や温度などのデータを取得し、東京のオペレーションルームでデータが確認できるという仕組みだ。

データの閲覧だけでなく異常値が出た場合に、東京にあるアラーム表示灯が点灯するといった仕組みも導入されているとのことだ。

【関連リンク】
ITpro EXPO 2016
3D Systems
NTTコミュニケーションズ(NTT Communications)

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