居住者に声を聞いてアップグレードしたソニー・マルチファンクションライト新モデルリリース

ソニーネットワークコミュニケーションズは、ネットワークLEDシーリングライト「マルチファンクションライト」において、新たにBluetooth機能を内蔵、軽量小型の新モデルを11月15日より発売することを発表した。

このマルチファンクションライトとは、LEDライトの中央部にマルチファンクションユニットを搭載しており、マルチファンクションユニットには、人感、温度、湿度、照度、スピーカー、マイクが内蔵されているスマート照明器具だ。

マルチファンクションライトの中央部分。全体がスピーカーになっており、左側の小さな白い枠の中に人感センサーと照度センサーが搭載されている。温度・湿度センサーは内部に内蔵されている。

ユニット自体が赤外線リモコンとして動作するため、マルチファンクションライトを通してテレビやエアコンなどの家電を操作することができる。

またライト自体がスピーカーの役割を果たし、天井から音楽を流したり、音声による通知、スマートフォンから遠隔の呼びかけなどを行うことができる。

専用アプリを使いスマートフォンでテレビの操作をしている。

操作は専用アプリからスマートフォンで行い、外出先からでも照明やエアコンのオンオフを行うことができるため、消し忘れや家に着く前に空調を適切にしておきたいときなどに活用できる。

そしてAIスピーカーと連携をすれば、音声で家電を操作することもできる照明器具だ。

AIスピーカーと連動させ、テレビの操作を行なっている。

そしてモニタリング機能ではマルチファンクションライトのセンサーを用い、24時間分の温度湿度電気の明るさがが時系列で表示される。

左:温度のモニタリング画面 右:照明のモニタリング画面

専用アプリではタイマーによる自動操作や、「設定値になるとこのような動作を行う」というような設定を行うことができる。

例えばこのモニタリング機能を活用し、設定した温度を超えるとエアコンをつけたり、音声で温度が高くなったことを知らせてくれるというようなものだ。

ニーズに合わせた新たな機能

マルチファンクションライトは2016年より発売されており、当初は主に法人向け、不動産会社などに事業展開を行なっていた。

マルチファンクションライトの取り付け部分は日本の規格のソケットに対応しており、簡単に取り付けることができる。

マルチファンクシャンライトのソケット

そのため不動産会社が持っている物件にマルチファンクションライトを初めから導入しておき、スマートホームという付加価値をつけて販売・賃貸していたという。

そこで居住者が実際にマルチファンクションを使い、「もっとこうして欲しい」というニーズをヒアリングした。その要望から今回の新モデルの提案に至ったのだという。

当初ファミリー層をターゲットとして商品開発を行っていたが、不動産会社が一人暮らしや二人暮らし向けの物件にも導入してみたところ、そのような顧客にもニーズがあることがわかった。

一人暮らしや二人暮らしの居住者のニーズは、スマートホームという利便性よりも、エンターテイメント性の向上だったという。

例えばストリーミング再生の音楽アプリの音楽もマルチファンクションライトのスピーカーから流したいという要望や、映画などを見る際にテレビと天井、両方から音を流し、より臨場感のあるテレビ鑑賞を行いたいという要望だ。

テレビの音声がマルチファンクションライトからもズレなく流れる

そこで従来のモデルでは端末に入っている音楽をWi-Fi経由で飛ばしてマルチファンクションライトから音を流していたが、Bluetooth機能を追加することによりストリーミング音楽の再生も可能にした。

従来モデルをWi-Fi経由にしていた理由としては、3年前ではストリーミング音楽やBluetoothが一般的ではなかったため、操作性が分かりやすいWi-Fiで通信を行ってきたのだという。

しかしストリーミング音楽の需要拡大とBluetoothの利用が一般的になってきたという時代の流れに合わせて、今回の新モデルに搭載したという経緯だ。

また、「テレビ鑑賞の際のマルチファンクションライト利用」という要望に対しては、テレビの映像・音声と、スピーカーの音声とのズレが起こらないように、AptX LLという遅延の少ない通信を新モデルに採用したのだという。

さらに従来のモデルより直径8cm程度小さくなり、1.6kg軽くなっている。軽量小型化することで、設置の容易性の向上、コスト削減につながっている。

今後も消費者が使用してみた結果、さらに改善して欲しい点などをヒヤリングし、製品向上につなげていくという。

ターゲット層に合わせ訴求ポイントを明確にする

一般消費者向けの購買場所として、11月15日よりAmazonにて販売され、家電量販店などでも順次販売を開始する予定だ。

今回の新モデルはアップデートされた性能に加え、ターゲットとする顧客に合わせて用途を絞っている。

例えば法人モデルには人感センサーによるみまもり機能を搭載しているが、一般モデルには搭載していない。

これは一般消費者に対して商品を訴求する際に機能をつけすぎると、何が訴求ポイントなのか分かりにくくなってしまうという点と、スペックを減らして価格を抑えたかったからだという。

また、一人暮らしや二人暮らしの居住者をターゲットにすることで、大きな照明器具である必要がなくなり、価格は抑える必要があった。そこで従来のモデルより小さく軽量にすることで価格を抑えている。

工夫次第で様々な用途に使えるマルチファンクションライトだが、時代の流れや消費者のニーズに合わせ、機能を拡大したり絞ったりしながら市場に浸透していくのだろう。

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