2019年12月10日、ソフトバンクは高齢者の安否を遠隔から確認できる「みまもりサービス」を12月19日より提供開始することを発表した。会見ではソフトバンクよりサービスの概要説明があった後、サービス内で利用されているコネクティッドバッテリーの紹介もあった。
独居高齢者の生活を見守る
今回、ソフトバンクが提供を開始する「みまもりサービス」とは、家族と離れて暮らす独り暮らしの高齢者の行動状況をスマートフォンのアプリから確認できるというサービスだ。
「みまもりサービス」をスタートした背景およびサービスの概要について、ソフトバンク 常務執行役員 寺尾洋幸氏(トップ画像)から説明があった。
そもそも「みまもりサービス」を立ち上げたきっかけは独居高齢者の増加があるという。現在、日本では600万人の高齢者が独り暮らしをしているという状況がある。この高齢者とその家族をつなぐサービスを作りたい、とソフトバンクは考えたそうだ。
この「みまもりサービス」はスマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、キャリアに依らず誰でも利用できるサービスになっている。アプリを通じて確認できる情報は2つある。
1点目はスマートフォンから取得する情報。見守られる側=高齢者が所有するスマートフォンのロック解除や充電の状態を、見守る側=高齢者の家族がアプリを介して確認することができる。あるいは歩数計の機能で、高齢者がいつの時間に体を動かしたのかをチェックできる。一定時間、高齢者による操作が検知できない場合は、家族に通知が自動送信される機能も付いている。
2点目は家電の使用状況。ノバルスの開発したコネクティッドバッテリー「MaBeeeみまもり電池」をセットした家電が動いているかどうかの状況をアプリで確認し、例えば高齢者が「決まった時間にテレビを観ているはずなのに、テレビのリモコンが動いていない」と家族が安否を判断できるようにする。こちらも上記と同様に、一定期間の操作が確認できない場合に通知が来る仕組みになっている。
下記写真は会見後にデモンストレーションとして表示された、スマートフォンや家電の状態から高齢者の行動履歴をチェックする画面だ。例えば15:00にテレビのリモコンが使用されていることが分かる。これで見守る側は「いつものお昼の番組を観ているので、元気に過ごしている」ということを確認できるのだ。
サービスの利用料金については、見守られる側は月額無料。見守る側については月額無料のシンプルプランと、月額980円の基本プランがある。シンプルプランでは見守る対象が1人までで、24時間分の行動履歴が確認できる。基本プランは見守る対象は2人まで可能で、1年分の行動履歴確認・電話での安否通知・見守る側への通知の機能が利用できる。なお、ワイモバイルユーザーには基本プランを月額480円で利用できる特典があるそうだ。
電流をモニタリングする「MaBeeeみまもり電池」
家電の使用状況把握のために利用される「MaBeeeみまもり電池」については、ノバルス 代表取締役 岡部顕宏氏から説明があった。
もともとノバルスは電力量の調整や通電状況をモニタリングできる電池「MaBeee」シリーズを開発している企業である。(「MaBeee」についてはこちら)「MaBeee」シリーズには玩具をコントロールするタイプの「MaBeeeコントロールモデル」と、プログラミングソフトスクラッチと接続可能な「MaBeeeコントロールモデル for scratch」がある。
「MaBeeeコントロールモデル」が電池出力のコントロール機能を持っているのに対し、「MaBeeeみまもり電池」は電池電流のモニタリング機能を持っているという。
なぜノバルスは「MaBeeeみまもり電池」を開発・提供をしようと考えたのか。そこには「アクティブシニア」と呼ばれる独り住まいの高齢者が増加しているという背景がある。
現在、介護認定を受けていない独居高齢者の人口が600万人も昇る一方で、東京都内で発生した孤独死のうち37.5%が60歳~69歳と、まだまだ若い60代でも孤独死が多いという統計がある。普段は元気な「アクティブシニア」でも、ある日突然不幸に見舞われる可能性は大いにあるのだ。
こうした不慮の事態を避けるため、まだ高齢者が元気なうちから早めの対策を行っておきたい。しかし従来の見守り製品は専用機器が必要である、取り付ける際に工事が必要であるなどといった手間がかかるという。また、カメラなどのソリューションは場合によっては「監視されている」といったストレスを高齢者自身に与えることもあるそうだ。
そういった状況を踏まえ、ノバルスは電池一本で簡単に見守りが出来る「MaBeeeみまもり電池」を開発した。利用法は、まず下記写真のように市販の単4電池を「MaBeeeみまもり電池」にはめ込んで、リモコンなどの家電製品にセットする。電流の状態を「MaBeeeみまもり電池」内のセンサーが感知し、Bluetooth通信によってスマートフォンに電流の状態を知らせる。
会見では既存の見守りサービスと「MaBeeeみまもり電池」を用いたサービスの違いについても、下記の図を参照しながら説明があった。
図ではコストを横軸の基準に据え、プライバシーへの影響、言い換えれば「高齢者の尊厳を傷つけていないかどうか」を縦軸の基準に据えている。この図にしたがえば「みまもり電池」は低コストかつ監視のストレスといったプライバシーへの影響も少なく高齢者を見守るサービスになっている。
ユースケースとしては、
・LED照明リモコン:就寝の時間から生活の変化をチェック
・センサー付き芳香剤:トイレに行く回数を確認
・屋外センサーライト:徘徊の心配を確認
といった例が挙げられていた。

