近年、移動通信のトラヒック量が増大し、高トラヒックエリアにおいてスモールセル基地局(※1)用のアンテナ増設が必要とされるなか、建物の屋上や壁面は設置場所が限定されることや街の景観を損ねることが課題となっている。
これに対応するため、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)とAGC株式会社は、2018年11月に既存窓(室内側)の表面にガラスを貼り付けることで屋外をサービスエリア化することができるガラスアンテナを共同開発している。
そして今回、ドコモとAGCは、共同開発した電波送受信が可能なガラスアンテナを都内のビル窓に設置して「窓の基地局化」を行い、4G LTE向け携帯電話向けのサービスエリア拡充を開始した。合わせて、通常のスモールセル基地局と同等のエリア化(※2)を確認した。
ガラスアンテナの特長は以下の通り。
- 既存窓に透明なガラスアンテナを設置するため、景観の妨げになりにくい。
- 建物の内側から施工するため、足場設置や土台工事が不要。
- 自在な設置箇所とビーム形成技術により、柔軟なエリア設計を可能とするスモールセル向けガラスアンテナ。
- 新たに開発したGlass Interface Layer(グラス インターフェイス レイヤー)(※3)の効果により、窓ガラスを通過した際の電波の減衰・反射を抑える。
※1 主に高トラヒックエリアに、通常基地局のエリア内に設置する、小さなサービスエリアを構築する基地局。
※2 エリア半径約100~200m程度(設置環境により異なる)。
※3 ガラスに近づくことによってガラスアンテナの性能が変わる影響を抑え、アンテナ本来の持つ性能を引き出す技術。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。