大和総研、自律検証型AIマイグレーションツール実用化に向け「Smartrans」をプレビューリリース

老朽化したシステム(以下、レガシーシステム)を、新しい技術基盤や設計思想に基づいて刷新する取り組みであるレガシーマイグレーションは、レガシーシステムの業務プロセス理解やコード解釈、設計およびコードコンバート開発、品質テストなど 人手を介した属人的な作業が多く、広範囲にわたる対応工数と高度な専門性が求められる。

そこで株式会社大和総研は、AIエージェントを活用したレガシー資産のマイグレーションツールの実用化に向け、「Smartrans」のプレビューリリースを2025年6月23日より開始した。

「Smartrans」は、別の環境へ移行する際のコード変換だけでなく、AIエージェントが自律的に検証を繰り返しながら、設計から実装、テストを自動で対応し、出力結果の現新一致まで推進することが期待されている。

具体的には、現行システムのコードを自動的に解析し、アセスメントを実現する。システム資産からプログラム情報を抽出し、グラフ形式で整理することで、各モジュールやデータ間の依存関係を把握することが可能だ。

この手法により、コンバート範囲を段階的に拡大しながら進めることが可能となり、AIが自律的にコードコンバートと検証を繰り返し、テストデータ生成や現行システムと新システムの一致テストを含むプロセスを通じたマイグレーションを実行する。

また、ルールベースの変換ロジックではなく、生成AIを中心とした処理方式を採用しているため、コンバート前後における言語の制約はないのだという。

さらに、コードの変換単位をAIエージェントに委任することで、変換単位は1対1に限定されず、単体もしくは複数のプログラムやジョブを最適な処理単位に変換するN対Mコンバートを行う。

これにより、障害時のロールバックやリカバリが容易になり、保守性を向上させる。加えて、JaBOLのような可読性の低いものではなく、プログラムやジョブの単位を最適化することまでを目標とするとしている。

「Smartrans」の概要図

今後は、レガシー構成のままではなく、コンバートにより最適化された資産について、プログラム単位だけでなく、アセスメント結果に基づく単位ごとに設計ドキュメントを自動で生成することも検討しているとのことだ。

また、精度向上や自律検証範囲の拡大、機能バージョンアップなどを行う予定だ。

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