昨今、自然災害の発生時にドローンを活用することで、迅速な状況把握、要救助者の発見など減災につなげる取り組みが増えている。気象庁では2019年より、人が近づきにくい火口周辺においても、噴気の状態や地熱域の正確な状況把握ができるドローンを用いた火山活動の調査を進めてきた。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下、パーソルP&T)とイームズロボティクス株式会社は、気象庁から「無人航空機による火山噴火時等における火口周辺調査」の委託を受け、2020年10月より草津白根山や阿蘇山をはじめとした日本国内4箇所の活火山においてドローンを活用した火口周辺調査を実施した。
今回の調査は、火口内及びその周辺の噴気の状態や地熱域の状況を把握するために、ドローンを用いて可視画像(※)(静止画および動画)や熱赤外画像(※)(静止画)を取得した。調査した火山は以下の通り。
- 2020年10月13日~15日:草津白根山
- 2020年11月24日~25日:口永良部島
- 2021年2月15日~16日:阿蘇山
- 2021年2月16日~19日:霧島山(新燃岳)
標高2,000mクラスの火山上空における低温下での飛行は、ドローンやカメラのバッテリー容量の消費が通常より早まるため、1回あたりの飛行時間、飛行ルートを短く策定した。また、太陽光によって活火山の地表面温度に影響が生じることから、早朝での撮影を行うなど、適切な飛行時刻を策定した。
さらに、イームズロボティクスが開発したドローンに可視カメラと熱赤外カメラを同時に搭載することで、飛行回数を削減し、効率的にデータを取得した。
従来の可視画像(右)に加えて地表面温度のデータを参照することで、より正確な活火山の状況を把握することができる。
※1 可視画像:雲や地表面によって反射された太陽光を観測した画像。
※2 熱赤外画像:雲、地表面、大気から放射される赤外線を観測した画像。
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