地域金融機関において、長年稼働してきたレガシーシステムの維持管理コストの増大や特定のベンダーに依存するベンダーロックイン、さらにはシステムの硬直化による新サービス展開の遅れが経営上の課題となっている。
また、予期せぬシステム障害時のサービス停止リスクに備えるための高度な可用性の確保も急務とされている。
こうした中、株式会社CCIグループは2026年2月2日、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIと、マルチクラウド構成を採用した次期コアバンキングシステム「BankWill(バンクウィル)」を開発し、2027年1月3日より勘定系システムの稼働を開始すると発表した。
同システムは、グループ会社である北國銀行が進める次世代地域デジタルプラットフォーム構想の中核を担うクラウドネイティブな金融基盤である。
Microsoft AzureとGoogle Cloudを併用したフルクラウドおよびマルチクラウド構成を採用しており、万が一どちらかのクラウド基盤で障害が発生した場合でも、自社の判断で稼働環境を瞬時に切り替えることが可能だ。
また、特定のソフトウェアを排除し、外部システムとの連携を容易にするAPI化や、クラウド環境を問わず稼働できるコンテナ技術を活用することで、ベンダーフリーかつクラウドフリーなシステム構造を実現している。
開発・運用のプロセスにおいては、生成AIを全面的に導入している。プログラミングの支援からコードの自動生成およびレビュー、テストケースの作成、設計ドキュメントの生成に至るまでをAIが自律的にサポートすることで、開発スピードの大幅な向上とシステム品質の底上げを図っている。
さらに、従来の金融システムで広く用いられてきたCOBOL言語を廃止し、システム全体の開発言語をJavaに統合した。
フロントエンドからバックエンドまで開発者のスキルを共通化することで保守および開発の生産性を高め、結果として約25%の人員削減を伴う持続可能な開発・運用体制への転換に成功しているとのことだ。
「BankWill」は特定行に依存しない汎用的なアーキテクチャを前提に設計されており、今後は他の地域金融機関向けのパッケージ製品としての外販も視野に入れているのだという。
既存システムからの移行を支援するコンサルティングや、運用体制の構築、人材育成といった包括的なサポートを展開することで、地域金融機関全体のDXと生産性向上に寄与していく方針だ。
なお、同グループは、同勘定系システムに続き、2028年1月の稼働を目標に情報系システムの新たな再構築プロジェクトも開始しているとのことだ。

