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コネクテッドカーに求められる要素とは?

変化する未来自動車の5つの要素

寄稿者: AMO Labs CEO / 工学博士シン・サンギュ

AMO Labsは、IoT・クラウド・ブロックチーェンセキュリティ専門企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳・貞喜、韓国本社、ヒューストン/米国法人)の子会社。シンガポールに拠点を置き、ペンタセキュリティシステムズの技術を基に自動車データのブロックチェーンプラットフォームのAMO Marketを開発している。

 「未来の自動車」と言われるスマートカー(Smart Car)は、次の5つの技術概念を必然的に要求する。宇宙または空間を意味する「SPACE」に、変化する未来自動車の5つの要素として、Security(セキュリティ)、Platform(プラットフォーム)、Autonomous(自律性)、Connectivity(連結性)、Electrification(電化)の5つの単語の組み合わせとして再定義し、全6章のテーマを3回の記事に分けて説明する。

  • 第1回目: コネクテッドカーに求められる要素とは?(この記事です)
  • 第2回目: 自律走行車やコネクテッドカー時代に向け必要なもの
  • 第3回目: ネットと繋がる未来の自動車、その活用分野
  • SPACEとは?

     「モノのインターネット(IoT)」や「クラウド」のような言葉が日常的な用語となり、技術系で働かない人々にも、おなじみのものとなった。近年では、さまざまな分野で「第4次産業革命」が言及され、社会全般にわたって大きな変化と革新がもたらされるはずだと期待される。
     まさに、第4次産業革命を率いる技術がIoTとクラウドだ。IoTは、ソフトウェアと相互接続(インターコネクト)を基本とした端末、自動車、家電などがネットワークに接続されてデータを交換できる一連のネットワークと定義される。 第4次産業革命のために必要な要素はたくさんあり、IoTデバイスの種類も多い。特に第4次産業革命の主力となるのは自動車だろう。

     18世紀後半、蒸気機関車が商業的な目的で開発され、19世紀末に石油を使用する内燃機関エンジンを搭載した自動車が発明されて以来、自動車の変化は着実に続いた。自動車は、より安全に、より早く、より便利な移動手段としてわれわれの生活に欠かせないものになった。
     最近では、自動車の限界を超えるような変化が起きている。近いうちにわれわれは空を飛んだり海の中を走る自動車を購入できるかもしれない。2018年2月、自動車は宇宙に行った。 イーロン・マスク(Elon Musk)が、「スペースX(SpaceX)」の宇宙船で「テスラ(Tesla)」の自動車を宇宙に送ったのだ。
     イーロン・マスクという人物があまりにも独特な人物だということもある。だが、この出来事は「従来の自動車が持っていた限界を超える」という新しい観点をわれわれに提示した。

    宇宙を意味する単語「SPACE」 は、空間という意味も持つ。筆者には自動車と空間が別の概念とは思えない。自動車が提供する移動性が人間の生活空間を広めた。自動車の運転中の室内空間もまたわれわれの一つの生活空間となった。もはや、地球という空間(SPACE)の限界を超え、宇宙(SPACE)まで行った自動車をみることになったのだ。

     ここで筆者は、宇宙または空間を意味する「SPACE」に、Security(セキュリティ)、Platform(プラットフォーム)、Autonomous(自律性)、Connectivity(連結性)、Electrification(電化)の5つの単語の組み合わせとして再定義したい。人々からよく「未来の自動車」と言われるスマートカー(Smart Car)が上記5つの技術概念を必然的に要求するからだ。

    次ページ:電化:自動車分野で起きている変化 

    電化:自動車分野で起きている変化

     イーロン・マスクは、自動車を宇宙に送ったが、彼は電気自動車専門の自動車メーカー、テスラをリードする人でもある。私たちの周りで電気自動車を見ることは、さほど難しいことではなくなった。純粋な電気自動車(EV)だけでなく、ハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)まで含めれば、もはや電気自動車はありふれたものだ。

     自動車分野で起きている変化はこれだけではない。自動車の変化を見てみよう。英国とフランスは、2040年からガソリンやディーゼルなどの化石燃料を使用する内燃機関車の生産を禁じることを発表した。(※1) オランダも2030年からは内燃機関車の生産を禁じることを発表し、ドイツも2030年から内燃機関車の生産を禁じる方案を検討中だ。(※2) ボルボ(Volvo)は2019年以後、内燃機関車両の開発を中断すると宣言した。 (※3) 2040年には新車モデルの35%が電気自動車になるという見込みもある。 (※4)

     内燃機関エンジンを使用する自動車が、エンジンの動力を車輪まで伝えるためのパワートレイン(Powertrain)を中心に動作することに比べ、電気自動車は電池とモーターを組み合わせることで単純かつ軽い構造で動作できるメリットがある。そのため、電池充電の頻度と所要時間が電気自動車の便利さや性能を示す主要指標にもなる。

     だが、電気自動車の充電はバッテリーに電荷を満たすだけの単純な作業と勘違いされやすい。実際のところ、電気自動車の充電ケーブルは電気を伝えるだけでなく、データの送受信も一緒に行われるように作られている。私たちが使用するスマートフォンをコンピューターに連結すれば、充電とデータ同期化が同時に行われることを連想すれば分かりやすいだろう。

     電気自動車の充電ケーブルは、新たな通信チャンネルだと理解する必要がある。例えば、充電中に消費した電気料金の支払いが車両と充電器の間の通信によって自動的に行われるようになるだろう。このようなサービスは、「プラグ&チャージ(Plug&Charge)」あるいは「プラグ&ペイ(Plug&Pay)」と呼ばれる。停車中の有線充電ではなく、走行しながら充電できる無線充電が実用化したら、プラグ&チャージ技術は今後さらに主要な技術になるだろう。

     充電にかかる時間も新しい意味を持つことになる。電気自動車の充電は数秒では終わらない。数十分あるいは数時間かかるものだ。この間、車両と充電器の間には安定的な通信チャンネルが維持されるので、車両を診断したり車両に必要なソフトウェアや情報を更新することも可能だ。

     つまり、充電器が車両に電気を供給しながら車両を診断したり、車両にソフトウェアを供給する接点の役割も果たすようになるのだ。充電器と連結し、決済を含むさまざまなサービスを提供する主体を電気自動車分野では「セカンダリーアクター(Secondary Actor)」と呼ばれる。

     車両と充電器(プライマリーアクター)、充電器と各種サービス(セカンダリーアクター)の間で通信が行われるようになれば、安全のためのセキュリティが重要になる。

     通信で連結される主体間の認証を提供し、機密性が必要なデータには暗号化を提供し、整合性と認証性が必要なデータには電子署名を提供することがセキュリティの基本的な範囲だ。決済を安全に提供してセカンダリーアクターが提供するサービスの信頼度を確保することもセキュリティが解決しなければならない宿題だ。

     

    ※1 영국의 탈 내연기관 선언, 전기차의 승리인가?
    ※2 네덜란드, 2030년부터 내연 기관 차동차 판매 금지
    ※3 AUTODAILY
    ※4 Here’s How Electric Cars Will Cause the Next Oil Crisis

    次回に続く。

  • 第1回目: コネクテッドカーに求められる要素とは?(この記事です)
  • 第2回目: 自律走行車やコネクテッドカー時代に向け必要なもの
  • 第3回目: ネットと繋がる未来の自動車、その活用分野
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