ゲオム、AIで認知症の行動・心理症状を予測するアプリ「GEOM.ai」を販売開始

現在、介護負担の軽減や認知症の方のQOL維持のために、科学的根拠に基づく介護DXが求められている。

ゲオム株式会社は、AIで認知症の方のバイタルデータや環境データ、介護記録等を分析し、認知症の行動・心理症状(以下、BPSD)(※)が発症する60分前または30分前に予測し、科学的根拠に基づく適切なケア方法と共に通知する認知症対応型AIアプリ「GEOM.ai」を2023年8月より販売を開始する。

GEOM.aiの利用イメージ
同研究開発は、総務省「医療・介護・健康データ利活用基盤高度化事業」に基づく、AMED「医療・介護・健康データ利活用基盤高度化事業(認知症対応型 AI ・IoTシステム研究推進事業)」(22us0424001)を活用してデータ解析によりBPSD予測を行い、認知症に対する理解と適切なケア方法を推奨する運用システムを確立するために実施しており、同実証事業により開発された認知症ケア補助人工知能システム「DeCaAI(Dementia care-assist AI)」が基盤となっている。

同実証事業において、BPSD発生予測率は80%以上、再現率は90%を上回ったことが確認できた。介護の効率化においては直接的介護で23.3%、間接的介助で44.5%延長し、従来は介護者1人で3人しか対応できなかった現場が、1人で4人以上対応できるようになるなど介護負担の軽減効果が得られたとのこと。

分析方法として、被介護者のバイタルデータ(呼吸、脈拍数、体動、睡眠・覚醒状態)と環境データ(温度、湿度、気圧、照度、騒音、CO2濃度)の時系列数値データを用い、BPSD発生の有無と時間・関係性・規則性をAIで判定した。さらに、介護現場で記録される介護記録(評価データ)等をクラウドプラットフォーム内で自動分類し、蓄積させた。これらのデータを元に相関性をAIに学習させ、30分後と60分後のBPSD発生確率を予測し、同時に「科学的根拠」に基づく適切なケア方法をアプリ上にプッシュ通知する仕組みを構築した。

これにより、介護従事者はAIから通知された内容をタブレットで確認し、適切なタイミング・手法で介護ケアを行うことができる。その結果、兆候があったBPSDが発症せず、予防ケアとしての効果が実証された。

2022年12月におけるBPSDの症状別予測正解率
GEOM.aiを利用することにより、認知症の不可思議な混乱状態も従来より正確に理解することができ、それに対する科学的な認知症ケアが可能となり、BPSDの発症予防や介護負担の軽減が期待できる。また、GEOM.aiはコネクティブAI(クラウドに接続された人工知能)として開発されており、今後様々な介護ソフトやコミュニケーション・ロボットとのAPI連携も進める予定としている。

※ BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia):認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の生涯による症状」と定義されている。

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