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ハローデイと日立、需要予測AIをスーパー49店舗に導入し月間約6,800時間の業務時間を削減

ハローデイと日立、需要予測AIをスーパー店舗に導入し月間約6,800時間の業務時間を削減

株式会社ハローデイは、株式会社日立製作所および株式会社日立ソリューションズ西日本と協創し、AIを活用した「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注システム」を、全49店舗に導入した成果を発表した。

ハローデイは、福岡県を中心に熊本県・山口県で食品スーパーマーケット「ハローデイ」「ボンラパス」を展開している企業だ。

店舗を「アミューズメントフードホール」と位置づけ、店舗ごとにコンセプトを決めているため、画一的なシステム導入による標準化は困難であり、独自性のある売り場づくりと業務効率化の両立が長年の課題となっていた。

今回導入されたシステムは、店舗ごとの売り場スペースや商品配置の違いに加え、取引先ごとに異なる注文ロットなどの条件を考慮し、発注ロジックを個別に自動調整する。

また、AIが過去の販売実績に加え、天候・曜日・イベントなどの外部要因を学習し、店舗ごとの需要を予測するほか、実際の販売データを全店舗のデータベースに蓄積し、次回の需要予測にフィードバックする。こうして毎日更新されるデータを活用し、予測と提案を繰り返すことで、精度を継続的に向上させている。

その結果、システムが提案した通りの数量で発注を確定する「自動発注率」は90%以上を達成した。

今回の取り組みにおけるシステムの概念図と全体構想

これにより、担当者が欠品を恐れて過剰に発注してしまう「心配性発注」が解消され、心理的負担が軽減されたほか、欠品率自体も6.99%減少するなど、在庫の適正化が進んでいる。

また、全店舗・全フロアにおける従業員の月間総労働時間を前年比で6,837時間削減することに成功したほか、残業時間を7.9%削減。一方で、人時生産性(労働時間に対する粗利比率)は8.4%向上しており、労働環境の改善と収益性の向上が同時に実現されている。

ハローデイは今後、同システムをグループのスーパーマーケット「ボンラパス」6店舗へも展開する予定だ。

さらに、生成AIを活用した予測精度の向上や、業務Q&Aのチャットボット化などを進めていくとしている。

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