障害物が多数存在する環境でのロボットの自律走行において、AI技術と、事前に定義されたルールや手順に従って経路を生成する手法の組み合わせは、安全性と効率性を両立した最適な経路生成に課題があった。
また、より適切な経路を生成するには、複数のAIを組み合わせる手法もあるが、AIの数が増加するほど処理時間を要し、リアルタイム制御が難しくなるという傾向があった。
こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)は、AI技術を活用し、障害物が多く経路生成が困難な環境下でも、ロボットの安全で効率的な自律走行を実現する制御技術を開発した。
この技術は、複数のAIの知見を学習させたNEC独自のAIを活用することで、複数のAIがそれぞれ生成する経路をまとめて学習し、一度に複数の経路を生成できるものだ。
これにより、スペースに制限がある場合や、害物が不規則に置かれた環境下でも、安全で効率の良い最適経路を生成し、リアルタイムでのロボット制御を実現する。
なお、同技術を利用したロボットで、長さ50mのテストコースに障害物をランダムに配置したシミュレーションを行ったところ、走破するのにかかった時間が、従来手法と比較して最大で50%短縮できることが確認された。
今後NECは、倉庫や小売領域に加え、自動運転への展開も見据え、2026年度中に同技術の実用化を目指すとしている。
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