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Orbbec、ロボット不要のフィジカルAI向けデータ収集基盤を発表

Orbbec、ロボット不要のフィジカルAI向けデータ収集基盤を発表

実世界(フィジカル空間)で自律的に動作する「フィジカルAI」やロボットの普及が進む中、高度なAIモデルを構築・学習させるための「高品質な実世界データ」をいかに効率的に、かつ低コストで収集するかが新たな開発のボトルネックとなっている。

従来のデータ収集では、高価なロボット本体を実際に動かす必要があり、多大なシステム構築コストや運用負荷がかかる上、撮影された映像とロボットの動作データの間に数ミリ秒以上のズレ(非同期)が生じることで、データの精度が低下し、AIの学習効率を損ねるという課題が存在していた。

こうした中、Orbbecは、ロボットを必要としないフィジカルAI向けデータ収集ハードウェアプラットフォームを発表し、ロボット学会「ROSCon JP 2026」にて日本で初公開した。

「ROSCon JP 2026」にて公開された、ロボットを必要としないデータ収集用ハードウェアプラットフォーム

同プラットフォームは、「EGO」「WristCam」「UMI」を中核とし、第一人称視点や手首装着型などの主要なデータ収集シナリオをカバーしながら、映像データとモーション(IMU)データを1ミリ秒以内で同期して高精度に取得できる、ロボット不要のフィジカルAI向けデータ収集基盤だ。

通常の開発プロセスでは、ロボットアームや移動ロボットに高価なカメラを取り付け、それを動かす制御プログラムを組んでようやく1件のデータが収集できる。

しかし、同プラットフォームでは、人間がウェアラブルデバイスなどを装着して作業を行うことで、AIの学習に必要な一連のデータを自然に集めることが可能だ。

今回の「ROSCon JP 2026」で実演された「Dual-Ego」プロトタイプは、200万画素の魚眼カメラを2基搭載しながら、重量約200グラムという超軽量設計を実現した。

この軽量デバイスを手元や体、頭部などに装着して日常的な作業を行うことで、最大1,000Hzで高速動作する6軸IMU(慣性計測装置)の動きデータと、目の前の映像データを、1ミリ秒(1ms)以内という高い精度で完全に時間同期して取得できる。

映像と動作データのズレは、AIモデルが「何を見て、どう動いたか」を誤認識するハルシネーション(誤判定)の最大の原因となるが、このマイクロ秒レベルの時間的一貫性を担保することで、収集されたデータの信頼性を劇的に向上させ、AIモデルの学習効率と推論精度を最大化することが可能となる。

また、同プラットフォームは、実世界の多様で不規則な物理環境(ノイズ)に対して高度な耐性を持つデータを提供できる点、そして研究開発から大規模展開(量産)までをシームレスに繋ぐ体制を整えている点に強みがある。

データ収集における大きな技術的障壁として、ガラスコップなどの透明物体や、金属などの光を反射する物体は、従来の3Dカメラ(深度センサ)では正確な距離(深度)を測ることができず、ノイズだらけの不完全なデータになりやすいという問題があった。

これに対し、同プラットフォームの中核製品である「EGO RGB-D」シリーズは、チップレベルでのネイティブなRGB-Dデータ出力に加え、独自の深度強化技術「LingBot-Depth」を搭載している。

これにより、透明・反射物体に対しても極めて高品質な深度データを取得することが可能となり、これまでデータの欠損によって自動化や認識が困難であった製造ラインやキッチン、リビングなどの実環境データ収集を可能にしている。

さらに、同社は単なるデータ収集用デバイスの提供にとどまらず、RGB、構造化光、ステレオビジョン、ToF、LiDARなどのビジョン製品ポートフォリオを活かし、顧客企業の既存設計に基づく量産支援や、ビジョンモジュールの統合、キャリブレーション、同期、量産立ち上げまでを含むCM(受託製造)およびJDM(共同開発・製造)サービスも提供している。

すでに日本国内では、日立のレジレス店舗ソリューション「CO-URIBA」や、国内自動車メーカが開発した病院向け自律搬送ロボットの目(3Dビジョン)としてOrbbecの技術が採用されているとのことだ。

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