政府は、2020年9月から2021年3月までの7か月間、最大20,000円までのキャッシュレス決済に対して25%にあたるポイントをマイナンバーカードに対して付与するという決定をした。
このために使われる費用は、なんと2,500億円にものぼる。
その結果想定されている価値は、14%程度と低迷しているマイナンバーカードの普及というが、果たして我々の生活に効果的な価値を生み出してくれるものなのだろうか。
マイナンバーでできることのおさらい
まず、想定通りの結果がでたとして、マイナンバーでなにができるのか、というおさらいをしたい。地方公共団体情報システム機構のホームページには以下の6つが掲載されている。
- 自分のマイナンバーを明らかにすることができる
- 行政手続きがオンラインでできる
- 本人確認の際、証明書類として使える
- オンラインバンキングなどの取引に証明証として使える(予定)
- 保険証や印鑑証明証などが1枚に(市区町村によって異なる)
- コンビニなどで証明証を取得できる
本当に必要なデジタルサービスとDXのトレンド
報道によると、オリンピック後の景気の落ち込みをこれで防止するという狙いがあるということだが、実質的な景気刺激策には程遠いだろう。
現状のデジタル環境においては、まず住民票などをデータで提供できるようにすべきだろう。委任状さえあれば誰でも取得できる住民票、本人の同意がないと証明されないという電子的な照明がついたデータの方がよほど信頼性があるといえる。
他にも、会社設立にかかる手続きを簡易化したり、国民IDに紐ついた収入や預金残高を管理することで、確定申告や地方税の納税などを簡単にしたり、電子投票を実現する、などやってほしいことはかなりある。つまり、政府自体のDXが先に必要なのだ。
マイナンバーを持っていることで、スマートな行政サービスが得らるわけでもないのに、マイナンバーカードだけをばらまいたところで、何に使うのかわからない状態になるだけだ。
そして、政府自体のDXが実現することで、かなりの数の公務員が削減できるだろう。
さらに、こういった情報をセキュアにやり取りできるような仕組みを構築し、LINEのような多くの人が持っている多機能なアプリを前提として、行政サービスを利用できるようにしたり、病院の予約や、通院歴の管理など生活に必要な情報をどんどん蓄積していくような流れをつくっていくと生活の利便性はかなり向上する。
なにも、すべてのデータを一カ所に集めろというわけではない。分散された環境にあるデータもある決まり事に従って、必要に応じてやり取りができるルールと監査機能を作るのでもよい。
2,500億円の財源をポイントにあててばらまきをするくらいなら、マイナンバーを持っててよかったと思えるような施策を、政府自体のDXを通して一つでも実現してほしい。

