東京海上日動火災保険株式会社と応用地質株式会社、および株式会社Tengun-labelは、台風や集中豪雨などによる浸水被害の可視化・即時把握に繋がる「3D仮想都市浸水シミュレーションモデル」を開発した。
東京海上日動火災保険と応用地質は、2021年6月に戦略パートナーとしての提携を開始し、防災IoTセンサで収集したデータ・気象データ・ハザードデータなどと3D都市モデル「PLATEAU」を組み合わせた3D仮想都市浸水シミュレーションの開発を進めてきた。今般、3D点群データ（※）の解析及びシミュレーション分野で強みを有するTengun-labelが参画し、人工衛星データや防災IoTデータの活用を見据えた、3D仮想都市浸水シミュレーションモデルを開発した。
同モデルでは、3D仮想都市の再現に加え、仮想空間上に防災IoTセンサや止水版等を設置することで効率的な被害把握・浸水対策の効果検証を行うことができる。
PLATEAUの対象である大分県日田市を先行都市に選定し、2021年11月～2022年1月の期間で同モデルの有効性の検証を実施した。今後も複数の自治体と、以下の防災・減災サービスに関するニーズの調査、有効性の検証を実施することで、モデルをさらに高度化させ、2023年度中に全国各地の自治体にサービス提供することを目指す。
- 対象都市の地形特性を踏まえた浸水被害の即時把握・被害予測支援サービス
- 自治体の防災計画策定支援サービス
- 要支援者避難計画策定支援サービス
- 地域住民への防災啓発活動支援サービス
- 防災・減災改修工事支援サービス
※ 3D点群データ：地形や物体の位置や形を、3次元座標を持った点データの集まりで表現するもの。点群データは、ドローン等による写真測量や地上レーザースキャナーによる計測等を通じて取得する。効率的な測量や設計に加え、建設物・文化財・都市の仮想空間上での3次元化を目的に活用されている。