昨今、サステナビリティ情報開示に関する社会的要請が高まる中、SSBJ基準への準拠やScope1-3を含むCO2排出量の精緻な算定が企業に求められている。
しかし、現場ではグループ会社やサプライヤーからのデータ収集、手作業による入力、複雑な基準に合わせた集計業務が負担となり、本来注力すべき分析や脱炭素戦略の立案にリソースを割けないのが現状だ。
こうした中、アスエネ株式会社は、同社が提供するCO2排出量見える化・削減・報告クラウド「ASUENE」に搭載されているAI機能「AI NIKOLA」の大幅アップデートを発表した。
「ASUENE」は、CO2排出量の見える化・削減・報告クラウドサービスだ。AIによるScope1-3の排出量の可視化や報告・情報開示に加え、国内外の規制やイニシアチブに対応したコンサルティングも提供している。
今回のアップデートでは、従来のAI-OCRによるデータ読み取りといった「点」での支援から、複数のAIが連携して業務プロセス全体を担う「マルチAIエージェント」システムへと進化した。
具体的には、まず「データ収集AI」が、サプライヤーや拠点に対するデータ提出依頼、リマインド、アンケート回収を自動で行う。収集されたデータは「排出量算定AI」に引き渡され、ExcelやPDFなど異なる形式から必要な情報を抽出し、自動でCO2排出量を算定する。
また、「算定」と「開示」のフェーズにおいて、新たに二つの強力なエージェントが導入された。
一つ目は「製品CFP算定AIエージェント」である。これは、製造業などで管理されているBOM(部品表)と連携し、製品単位でのカーボンフットプリント(CFP)を算定する機能だ。
単なる計算にとどまらず、AIがサプライヤーごとの適切な排出原単位を提案・推奨することで、算定精度の向上と工数削減を同時に実現する。
二つ目は「開示支援AIエージェント」だ。複雑化する開示基準に対応するため、サステナビリティレポートの自動生成機能を提供する。
さらに、競合他社との比較分析や、各種開示基準とのギャップ分析を行い、不足している情報の特定から改善提案までをAIがサポートすることで、柔軟かつ戦略的な情報開示を可能にする。
加えて、データの信頼性を担保する機能として、「品質レビューAIエージェント」も搭載された。これは、同社が持つ監査・第三者保証の知見を学習したAIが、データの異常値や重複を検知し、修正を促すことで監査対応レベルの品質を確保する。
そのほかにも、排出量データに基づき将来予測や気候リスク分析を行う「サステナビリティ戦略AIエージェント」により、企業は削減施策の立案やビジネス機会の探索といった、より高度な経営判断にAIを活用できるようになる。
アスエネは今後も、蓄積されたデータを活用し、自律的な判断・提案を行うAI開発を推進していく方針だ。

