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INDETAILと宇野牧場、ドローンとAIを活用した「スマート酪農」の実証実験を開始

INDETAILと宇野牧場、ドローンとAIを活用した「スマート酪農」の実証実験を開始

北海道は気候が良く広大な土地に恵まれており、酪農業にとっては最適な地域である。酪農には大きく分けて「放牧」と「舎飼い」という2つの様式があるが、放牧を取り入れている牛飼養者は半数ほどしかなく、全国的に見れば国内の牛飼養戸数の2割以下まで落ち込む。

放牧は、舎飼いとは違って牛が病気にかかりにくいという良さがあり、生乳の品質は栄養価が高く草の香りがあり後味が軽やかになるとも言われている。また低コストや省力化といったメリットもあることから、日本では近年、農林水産省によって放牧が推進されるといった動きもある。

天塩町で酪農を営む宇野牧場は創業以来20年以上にわたり放牧での生乳づくりにこだわっている。しかしながら、160ヘクタールもの広大な牧草地で行う放牧には、牧草の管理(生育状況の把握・草刈り)やその日の放牧エリアの区画整理といった大変な管理業務が必要だ。365日対峙しなくてはならない乳牛の管理も抱える中で人手不足により多忙を極めるだけでなく、後継者不足にもまた悩まされている。

株式会社INDETAILと株式会社宇野牧場は、酪農における乳牛の放牧をドローンとAIで行う「スマート酪農」の実証実験を行う。なお、同実証実験を行うにあたり、両社は2020年5月20日付けで共同研究契約を締結している。

同実証実験では、宇野牧場が持つ広さ160ヘクタールの放牧地を区画してドローンが各区画の牧草を撮影し、その撮影データから牧草の生育具合をAIで自動判別し、その日の最良な放牧エリアを選定する。各区画の境界線にはリモートで制御可能なゲートが設置されており、AIが放牧エリアを選定したあとは、各ゲートの開閉によりその日の放牧エリアを自動形成する。また、これらのサービス基盤として、「Oracle Cloud Infrastructure」を活用する。

放牧作業にドローンやAIを導入することで、乳牛の日ごとの食育量の管理や刈り取りに必要な草量や肥料の適正量が迅速に把握できることから、それらにかかる人件費および牧草地の利用効率の最適化につながる。

今後の計画として、INDETAILは2020年7月よりドローンによる空撮などで現地調査を行い、2020年9月下旬~10月上旬ごろよりスマート酪農の実証実験を開始する予定とした。

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