茶葉は、摘採する時期が遅れると収穫量は多くなる一方で、品質が低下する。摘採時期を判断するためには、生産者の経験やノウハウ、または茶葉を採取・乾燥・粉砕のうえ専用機器で分析して見極める方法が一般的だ。しかし、生産者の後継者育成や新規参入に際しては、摘採時期の判断は容易ではなく、生産力向上と持続性を両立するうえで課題の一つとなっているという。
そうした中、株式会社伊藤園と富士通株式会社は、AI画像解析により茶葉(茶芽)の摘採時期を判断する技術を共同開発し、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地(以下、契約産地)にて試験運用を開始したことを発表した。
今回の技術は、伊藤園の茶栽培に関する知見と、富士通の画像解析技術およびAIの機械学習を組み合わせて共同開発した画像認識アルゴリズムにより、スマートフォンで撮影した摘採(収穫)前の茶葉の画像をクラウド上でAI解析して、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定する。
画像認識アルゴリズムの開発に際しては、およそ2年をかけて契約産地の一部で撮影した約4,000枚の茶葉の画像をもとに、色味調整など加工を施した合計約8,500枚の画像を用いて、AI学習が行われた。
この画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証するため、2022年の新茶摘採から試験運用が開始される。また両社は、2023年の新茶摘採から契約産地で本格展開を目指すとしている。
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