東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、プランティオ株式会社、株式会社タニタの3社は、都市型スマート農園の開発や、新規就農に繋がる機会の創出など、新たなアーバンファーミング事業に向けた食農事業で協業を開始した。
協業の第1弾として、タニタ本社敷地内に今回の事業のテストフィールド「タニタふれあい農園」を開設し、2023年8月より実証実験をスタートする。
今回3社は、プランターを使うことで、ビルの屋上や舗装地などさまざまな形態の遊休地に開設することができる、IoTの活用した都市型スマート農園の構築と検証を進める。
都市型スマート農園は、区画で貸し出す一般的な農園とは異なり、農園全体を参加者同士が交流しながら共同で野菜を育てていく「シェア型」となっていることが特徴だ。IoTやAIを活用することにより、未経験でも野菜を栽培することができる農園を目指すとしている。
具体的には、プランティオが独自開発したIoTセンサ「grow CONNECT(グロウコネクト)」を活用し、内蔵する土壌温度計によって、土壌の温度の積算をモニタリングする。
また、他の5つのセンサデータを肉付けし、前後一週間の天候データと対比して予測するAI技術である「Crowd Farming System」と、専用のアプリ「grow GO」を通じて、水やりや間引きのタイミングなどの栽培アドバイスを行う。
テストフィールドでは、アプリの評価と開発へのフィードバックを実施する。
なお、「grow GO」は農園の利用者同士がコミュニケーションを取れる機能も備えており、リアルとオンラインの両面でコミュニティに参加することができる。
また、収穫した野菜をタニタ食堂やタニタカフェのレシピを基に調理して参加者に提供したり、バーベキューパーティーを開催したりするなど、コミュニティを活性化させるさまざまなアクティビティを展開していく予定だ。
これにより、参加者の行動態様や事業性を検証する。
さらに、タニタふれあい農園で利用者が行うアクティビティ(水やりや土寄せ、追肥、間引きなどの農作業)を「健康コンテンツ」と捉え、健康増進のアプローチ手法として、その可能性を検証していく。
加えて、「タニタふれあい農園」において栽培した野菜の近隣飲食店での消費や、アプリを通じた栽培活動による特典の付与、周辺地域の施設への誘客など、地域経済圏の活性化を図る仕組みづくりを検討する。
そして、この農園を活用し、新規就農に繋がる機会の創出、食農への関心人口増加や地域経済の活性化に繋がる新たな体験や仕組みを創造する、新たなアーバンファーミング事業の実現を目指すとしている。
また、IoTやAI、その他実証を通じて効果が見込まれた機能を備えた都市型スマート農園サービスをパッケージ化して、遊休地所有者に提供するほか、生産した野菜のタニタ食堂・タニタカフェでの活用、付加価値の高い伝統野菜の一般流通などを視野に入れているという。
さらに、地域の飲食店や施設と連携した誘客の仕組みによる地域経済の活性化についても検討し、グリーンフードインフラの構築を計画している。
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