三菱電機株式会社は、生産現場で用いる2つのAIを開発した。
1つ目は、生産設備の立ち上げ作業の効率化を実現する「段階的に素早く学ぶAI」だ。これは、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」の1つである「強化学習(※1)」をさらに進化させて、学習内容を段階的に自動で追加していくことで、一度に学習させる手法に比べて、調整作業に必要な時間(※2)を人手による作業時間に比べ10分の1(※3)に短縮する。
シミュレーター上でAIが効率よく経路を探索することで、動作時間が短縮できる速度や加速度に調整でき、AIで学習することで、熟練作業者と同等以上にタクトタイムを短縮し、生産設備の稼働効率向上を実現する。
もう1つのAIは、事前の機械学習なしに人のわずかな動作の違いも見つける「行動分析AI」だ。このAIにも「Maisart」が用いられており、従来の行動分析技術に必須であった人手による大量の教師データの作成や事前の機械学習が不要で導入が容易だ。そして、行動分析が数秒から数分程度(同当社比20分の1以下)(※4)で高速処理が可能となる。
人が自分自身では気付きにくいわずかな動作の違いを自動的に見つけることができるため、例えば、工場の生産現場では、作業者の手順の違いや無駄な動作の検出により、一人ひとりに合わせた作業改善ができ、生産性向上につながる。
※1 試行錯誤により自ら最適な行動を探索するAI技術
※2 動作の修正および動作確認を繰り返す作業を含む
※3 産業用ロボット立ち上げ時における調整作業の一例
※4 2015年学会発表の当社技術との比較
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