近年の訪日外国人の急増を背景に、日本人と外国人の言葉の壁を超える手段の1つとして、音声翻訳システムのニーズが高まっている。日本政府は「グローバルコミュニケーション計画(※1)」の中で、2020年までに多言語音声翻訳システムの社会実装を目指すと発表しており、より高精度なシステムの開発が急がれている。また、音声翻訳システムの高精度化にはディープラーニングが最も寄与すると言われており、研究開発が推進されている。
さくらインターネット株式会社のGPUコンピューティング基盤「高火力コンピューティング」が、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)が研究する「ディープラーニング翻訳の高度化のための計算機資源の借入」として採用された。高火力コンピューティングは、物理サーバーをクラウドのように利用できる計算資源用サービスだ。GPUシステムを手元で動かしているような操作性・性能のGPUコンピューティング環境を迅速に利用することができる。
NICTは、以前より「VoiceTra(※2)」のような多言語音声翻訳システムの研究開発と実証実験を実施しており、同案件ではNICTが推進するディープラーニング翻訳のインフラとして、さくらインターネットのAIやディープラーニングに最適な物理サーバーとして高火力コンピューティングが採用された。
※1 総務省が2014年4月に、世界の言葉の壁をなくすことをミッションとして発表。
※2 NICTの音声認識・翻訳・音声合成技術を活用した音声翻訳アプリ。
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