立命館アジア太平洋大学(以下、APU)と株式会社グルーヴノーツは、入学者選抜の高度化を目的として、多様な学生の個性をAIで可視化する「教育現場でのAI活用プロジェクト」を発足した。
同プロジェクトの第一弾では、グルーヴノーツのクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」の深層学習を活用して、外国人留学生がAPU受験時に提出するエッセイシートを対象データに、空間上で文章表現の特徴を導き出す「文章のベクトル化」に取り組む。
深層学習が得意とするのは、対象の微妙な特徴の違いをベクトルという数値に変換することだ。ベクトルは深い次元数で表現されるため、単に「良い」か「悪いか」といった二者択一の判断ではなく、様々な事象・事実を見いだすことができるという。
自由記述のエッセイでは、その評価基準は採点者に依存し、主観的評価が点数に影響を与える可能性があったが、深層学習を活用してエッセイの様々な特徴や傾向を抽出して定量化・可視化することで、客観的な事実を把握できるようになる。
AIの分析で見えた客観情報を、人間の手による評価に組み合わせて活用することで、留学生の個性や可能性がより発見されやすくなると期待されている。また、留学生をより細かく多角的に評価することで、それぞれの能力・力量に合わせた学生支援につなげていくことも想定している。
両者は今後、2019年内にテスト分析を実施し、2020年度に本格稼働を予定している。第一弾の取り組みを踏まえて、さらに留学生入試のエッセイ以外の評価項目の分析も検討していく。
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