近年、モビリティ市場では、コネクテッド化や安全運転支援システムの高度化、自動運転の実用化が進む中、車両に搭載した複数のカメラの映像を活用した安全運転や異常時の適切な措置のサポートなど、安全・安心な移動の実現が求められている。
特に車両の走行環境や運転手・乗客の状況の把握において、管制センターによる遠隔見守りのために、複数のカメラが撮影する高画質な映像を低遅延かつ乱れなく伝送することが重要である。
一方、こうしたデータ量が大きい映像は、広い無線通信帯域を必要とするため、走行中の通信帯域の低下により映像の乱れや通信遅延の増加を引き起こし、高画質の映像をリアルタイムに伝送することが難しく、課題となっている。
日本電気株式会社(以下、NEC)は、安全・安心な車両の移動を支援する技術として、AIを活用し、車載カメラの膨大な映像データの内、信号機等の注目領域に絞って画質を高くし、送信データ量を削減する「学習型メディア送信制御技術」を開発した。
同技術は、危険予兆検知に必要な物体検出、距離推定、レーン検出などの精度を維持しつつ無線通信帯域を最大10分の1に削減可能だとしている。映像品質を維持したまま送信データ量を大幅に削減できるため、車などの移動体において、車外の走行環境の異常や運転手・乗客の危険な状況を映像を通じてリアルタイムに検知してサポートするなど、遠隔見守りの高度化に貢献するという。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。