工場などの排水処理設備は、24時間365日運転することを前提に設計されており、時間帯や気象条件などに影響されずに監視できる管理システムの開発が求められている。
そこで京セラ株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社、株式会社Ristは、京セラ滋賀野洲工場の排水処理設備において、カメラを用いた排水センシングシステムとRist独自のAI画像分析技術を用いて、排水処理状態をリアルタイムに自動で良否判定を行うAI自動排水監視システムを導入し、本格運用を開始した。
今回発表されたシステムでは、含有物質を沈殿させる凝集沈殿槽にカメラを設置し、設定した一定時間間隔ごとに排水の処理状態を撮影し、クラウドサーバーに画像データが転送される。クラウドサーバーでは、AIモデルによって排水処理状態の良否判定が行われ、異常と判断された場合は、作業者のパソコンやタブレット端末等にアラートが発報される。
リアルタイムでの点検に加え、処理不良が発生した際には、システムで予め状態を確認できるため、現場で速やかな復旧作業を行うことができる。また、京セラが保有する点検ノウハウや画像・環境データを活用したAIモデルの構築により、昼夜の明暗、気象条件などにより、水面の見え方が変化した場合でも良否判定を行うことができる。
なお、水面での泡の発生等により水中の凝集状態が観測できない領域については、画像前処理機能(下図の右)を追加することによって判定対象外とし、良否判定精度の向上を図っている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。