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日立グループ、四十四田発電所における保守・点検業務のスマート化実証の第1フェーズが完了

日立グループ、四十四田発電所における保守・点検業務のスマート化実証の第1フェーズが完了

多くの水力発電所は、山間部などの交通が不便な場所にあり、かつ無人運転で長期間にわたり電力の安定供給を維持している。遠隔地から作業者が頻繁に保守・点検業務に赴いているが、作業者にとっても負担は大きく、かつその熟練性に依存している。そのため、近年デジタル技術の活用による遠隔監視や予兆診断の導入や、技能伝承の推進による保守・点検業務のスマート化が求められている。

日立三菱水力株式会社と株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社日立産機システムは、岩手県企業局の四十四田発電所の保守・点検業務において、以下の3つの観点で保守・点検業務のスマート化の実証実験を行い、第1フェーズを完了したことを発表した。

水力発電所における保守・点検業務のスマート化の概念図

第1フェーズにおいては、保守・点検業務を稼働状況に基づく適正なタイミングで実施することにより、現場の作業者が遠隔地の発電施設に赴く頻度の適正化が可能になった。これによって、作業者の負担軽減につながり保守・点検業務が効率化され、また設備状態や故障状況に応じた適切な点検時期の検討や、センサーデータや予兆診断情報などの分析によるこれまで特定困難だった故障原因の特定といった高度化が実現可能なことが確認できた。

この実証結果を踏まえて2022年度は第2フェーズとして、保守・点検業務の実際の運用における安全性・信頼性の担保や、日立グループのノウハウの横展開を予定している。これにより、デジタル技術を活用した保守・点検業務に従事する人が効率的かつより高度に設備状態を分析して故障を回避することで、さらなる安定稼働に向けた高付加価値化の検証を追究するとのこと。

そして2023年度以降、四十四田発電所のスマート化実証で得られた成果を、国内外の水力発電所へ展開していくとした。岩手県企業局においては、他の水力発電所への横展開として2024年度をめどに入畑発電所や胆沢第二発電所への適用をめざしている。

※1 全天球カメラ:360度の全方位を1台で撮影できるカメラ。
※2 PTZカメラ:遠隔で水平方向・垂直方向・拡大・縮小の操作ができるカメラ

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