道路交通渋滞の状況は深刻化しており、経済効率の低下などを引き起こす大きな原因の一つとなっている。また、渋滞時のCO2排出量は通常時の約2倍に上るなどの問題がある。
そうした中、ジオテクノロジーズ株式会社は、同社が保有するビッグデータに、深層学習を組み合わせることで、主要な道路だけでなく、一般道も対象とした「AI渋滞予測モデル」を開発した。
「AI渋滞予測モデル」では、5分単位で予測による渋滞回避ルートの算出が可能だ。リアルタイムの交通情報を入力することで、事故などの突発的な渋滞の変化にも追従した予測をすることができる。
「AI渋滞予測モデル」の開発には、ジオテクノロジーズが保有する交通情報や気象情報等のデータを元に、特定道路における15分後、60分後の車速について予測精度の検証を行った。モデルには、深層学習をグラフデータに適用するGCNを応用した最新モデルが採用されている。
加えて、「AI渋滞予測モデル」を活用した実証実験が2023年1月19日~31日の13日間、東京都の一部範囲(私道以外の道路)で実施された。その結果、全体で誤差が少なく、高い精度で渋滞の予測ができていることが確認された。
さらに、今回のモデルで東京都の他範囲を検証した場合においても、推論精度が出ていることが確認され、旧来のLightGBM(機械学習アルゴリズム)などのモデルよりも汎用的に扱えるという示唆が確認された。
また、渋滞が発生・解消された車速の変化にも追従していることも、今回のモデルで対応可能なことを確認している。
今後は、モデルの評価をさらに進めるとともに、高速道路入口や踏切付近における特殊区間の判定、工事・事故情報、サグ部・上り坂情報などを考慮して精度向上した上で、今年度中の製品化を進めていくとしている。
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