鹿島建設株式会社(以下、鹿島)ではこれまで、ChatGPTの業務利用を禁止していた。その理由として、従業員がChatGPT上で質問として入力した鹿島の情報がAIの学習データに取り込まれ、第三者の回答に利用されることで鹿島の重要情報の漏えいが発生するリスクがあったためである。
一方で、生成AIの利用は、従業員の業務効率化や生産性向上に寄与する点もあることから、鹿島はその利用に向け、安全性を担保した独自のChatGPT環境の構築を進めてきた。
このほど鹿島は、自社専用の対話型AI「Kajima ChatAI」を構築し、自社および国内外のグループ会社(一部を除く)の従業員約2万人を対象に運用を開始した。
Kajima ChatAIは、日本マイクロソフト株式会社のパブリッククラウドMicrosoft Azure上で利用できる「Azure OpenAI Service」を活用し、ChatGPTと同等のAIモデルをイントラネット内に構築したものである。これにより、入力した情報が外部の学習に利用されない鹿島グループ専用の安全な環境となった。さらに、利用時の従業員認証や利用履歴の記録など、独自の機能を付加することで、より安全に利用できる環境とした。
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