ナビタイムジャパン、渋滞ピークを避けられる「AI渋滞予報」で規制や天候を考慮した渋滞予測が可能に

株式会社ナビタイムジャパンは、同社が提供するリアルタイムの道路交通情報に特化したアプリ「渋滞情報マップby NAVITIME」にて提供中の「AI渋滞予報」において、2023年8月8日より、新渋滞予測モデルを採用したことを発表した。

2023年4月21日より提供されている「AI渋滞予報」機能では、混雑が発生しやすい全国100区間の渋滞予報を地図上にアイコンで表示し、一目でその日に予想される渋滞具合がわかる「きょうの渋滞予報」や、1時間ごとの渋滞度合いをグラフで表示し、普段に比べてどこがどのくらい混むのかが直感的にわかる「渋滞予報グラフ」を提供している。

ナビタイムジャパンは、渋滞予測技術を研究を行う中で、渋滞は自動車の交通量のみが原因ではなく、交通規制や事故、風雨などの天候状態などの様々な要因が組み合わさって常に変化する道路状況によって発生することが判ったとしている。

その中から、その状況変化をとらえて渋滞予測に反映できるようにすることで、渋滞予測の精度向上につながると考え、今回の対応を行ったのだという。

今回、渋滞予測精度を向上させたことにより、これまで予測に利用していた、年末年始、お盆、GWなどの行楽シーズンも含めた約2年分のVICSから配信される渋滞長データに加え、事故や工事などによる交通規制情報や、降水量・風速の天気予報の情報を考慮できるようになった。

これにより、これまでよりも様々な渋滞の要因を踏まえた予測が可能となった。

なお、交通規制情報と天気予報の情報は、1時間ごとにAIに入力され、当日の道路状況やこの先の天候をリアルタイムに考慮して予測しており、約1時間ごとに最新の渋滞予報を確認できるようになる。

渋滞予測のAIモデルについても、道路どうし・変数どうしのつながりについて、同社の知見を直接反映できるGNN(Graph Neural Network)という手法と、要因(静的変数)と渋滞の結びつきをAIが発見してくれるTFT(Temporal Fusion Transformer)という手法を新たに採用した。

これにより、規制情報や天候と渋滞との関係といった時系列データを相互に参照し、状況変化を捉えることができる。

渋滞予報の更新タイミングについても、これまでは1日1回、当日の朝7時から23時までの渋滞予報を提供していたが、直近の道路状況の変化をできる限り予測に生かせるよう、いつでも検索した時点から最大24時間先までの予報を確認できるようになった。

なお、この新予測モデルを使って、2023年5月のデータで予測対象の100区間の精度を確認したところ、すべての予測結果のうち、新モデルで予測された渋滞長が実際の渋滞長のプラスマイナス1km以内に収まっている予測結果が、87.79%あることが確認されている。

渋滞予測の精度を表している

状況ごとの精度でも、2023年5月19日にまとまった量の降水があり、それが予報されていた東名阪自動車道の四日市IC-亀山IC(下り)の渋滞長予測について、実際の渋滞長に対する誤差の平均が既存モデルで90.8%であるのに対し、今回リリースするモデルでは52.0%と、38.8ポイント改善されたのだという。

また、2023年5月19日から6月7日まで上下線で通行止め規制が行われていた阪神高速3号神戸線(下り)の渋滞長予測について、実際の渋滞長に対する誤差の平均が既存モデルで75.3%であるのに対し、今回リリースするモデルでは37.0%と、38.3ポイント改善された。

これまでのAIモデルと、新しいAIモデルを比較した図

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