IBMと全米テニス協会(以下、USTA)は本日、全米オープンのWebサイトUSOpen.orgと全米オープン・アプリに、AIによる音声解説を含むデジタルなファン体験機能「IBM watsonx powered AI Commentary」を搭載することを発表した。
「IBM watsonx powered AI Commentary」は、IBMのビジネスのためのAIおよびデータ・プラットフォームであるwatsonxで構築、学習、展開したモデルを活用している。
大会全体を通して、AIが全米オープンのハイライト・ビデオの音声解説と字幕の制作を自動化し、全17コートのシングルスの全試合に対応する。
「IBM watsonx powered AI Commentary」を実装するため、IBM Consultingのエクスペリエンス・デザインを担当するIBM iX(IBM インタラクティブ・エクスペリエンス)の専門家がUSTAと協力し、watsonxが提供する基盤モデルを活用して、テニス特有の専門用語でAIモデルを構築・訓練した。
生成AIは、Red Hat OpenShiftを活用したハイブリッドクラウド上で稼働する基盤モデルで構築されており、短く編集されたビデオ・クリップに、多様な文章構造と語彙を持つ解説を生成する。
また、今年の全米オープンで新たに導入された「IBM watsonx powered AI Draw Analysis」は、全米オープンテニスに向けた選手の「勢い」を定量化した「IBM Power Index」と、IBMがAIを活用して生成した「Likelihood to Win(勝利の可能性)」の構造化データと非構造化データの両方を利用して、シングルス・ドロー(組み合わせ)の全選手の有利・不利のレベルを予測する。
各選手にはトーナメント開始時に「IBM AI Draw Analysis」の分析結果が割り当てられ、トーナメントの進行や選手の勝敗に応じて毎日更新される。
すべてのドローをランク付けし、ファンは個々の試合をクリックして、ドローの予想難易度や対戦相手の可能性を見ることができる。
USTA シニア・ディレクターでデジタル戦略担当のブライアン・ライヤーソン氏は、「今年は特に、シングルス・ハイライト全試合でwatsonxによるIBMのAI解説をファンの皆様に体験していただけることを楽しみにしています。
さらに、watsonxを利用したAIドロー分析により、ファンは各選手の対戦相手の勝率など視覚化された情報をもとに、決勝までの道のりを簡単に確認することができるため、各ラウンドで対戦する可能性のある相手選手について、より深い洞察を得ることができます。」と述べている。
なお、2023年の全米オープンは、予選トーナメントが開催されるファン・ウィークを含め、2023年8月22日から9月10日まで開催される。
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