MODE,Inc.では、3月より生成AIをIoTへ応用する機能開発を開始し、6月にエンタープライズ向け対話型生成AI「BizStack AI」追加を発表している。
このほどMODEは、リアル空間の作業現場における状況変化や異変を生成AIがチャットで報告できる「BizStack Assistant」のベータ版を、2023年11月1日より提供を開始する。
これにより、現場に派遣されたAIアシスタントが報告している感覚で、現場の状況について質問したり、問題(アラート)報告を受けることができる。アラート通知の際は、現場データのしきい値やゲートウェイの死活監視など、あらかじめ設定したアラート条件に応じて能動的に発話される。アラート条件は、自然言語で設定できる。
さらに、自然言語での報告だけでなく、リアルタイムデータの集計やグラフ等による可視化にも対応している。スマートフォンの小さな画面の中で操作・設定する必要がなく、チャットツールを介した自然言語からの指示だけで、自動でデータ集計やグラフ作成を行い回答する。加えて、自然な言語での指示だけで現場で収集した画像や映像データを見ることもできる。
これまでのIoTプラットフォーム「BizStack」のUIは、リアル空間で計測した数値やグラフをダッシュボード形式で表示しており、現場事務所など大きな画面を持つPCが設置された場面での利用が一般的だったが、BizStack Assistantは、ユーザーが日常利用しているSlackなどのチャットツールに対応している。これにより、慣れない新たなアプリを使いこなす必要がなく、導入と活用をスムーズに進めることができる。
加えて、顧客や現場固有のQ&Aを登録することで、FAQチャットボットとして機能する。生成AIによって、質問の表記揺れに対して広い対応範囲を持つ。
BizStack Assistantにより、例えば建設中の作業現場における異常が発生した場合、AIが異常を報告し、現場監督を支援する。一般的なチャットボットは、人間の方から話しかけないと会話が始まらないが、BizStack Assistantは、BizStackで設定されたアラート機能から異常を判断できるので、必要な時はBizStack Assistantの方から話しかける。
また、BizStackは現実世界のビジネスの組織構造を、階層データモデルに変換できる。これにより、2階と3階など、異なる複数の拠点のデータを比較することができる。この技術により、BizStack Assistantに複数フロアのデータをまとめて、日報を作成させることもできるようになる。屋内の位置測位にも対応しているため、作業員やAGVの位置や動線分析、そこからの日報作成まで、シームレスに行うことができる。
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