株式会社資生堂は、アクセンチュア株式会社と共同で、独自のアルゴリズムを用いた処方開発AI機能を開発した。
なお、この処方開発AI機能は、資生堂の化粧品開発デジタルプラットフォーム「VOYAGER (ヴォイジャー)」に搭載され、2024年2月より本格稼働している。
今回発表された処方開発AI機能は、これまで研究員の間で受け継がれ、データ化が困難であった50万を超える知見や、各研究領域の垣根を超えたノウハウなどの研究開発力をデータベース化し、イングリディエント・インフォマティクス(※)を駆使して開発されたものだ。
※イングリディエント・インフォマティクス:原料(イングリディエント)個々の特性だけではなく、原料の「組み合わせ」による効果、使用性・安定性などのデータも取り込み、総合的にAIが学習する取り組み。
この処方開発AI機能の特長は、皮膚科学、感性科学、製剤化学などの基礎研究から得られた原料情報や処方データや、容器設計に関するデータなど、製品開発データを包括的に網羅している点だ。
成分、配合量、試作品の性質や状態、感触、経時変化の安定性、品質向上のための独自ノウハウなど、50万以上の全専門領域の研究知見を網羅したデータベースを、独自のアルゴリズムを用いたAI技術で解析する。
すべてのデータが揃っていない場合は、成分、組み合わせ、経時変化の安定性など、さまざまな要因に関するデータを活用して、情報を予測・補完する。
これにより、例えばスキンケア製剤とファンデーション製剤の製剤間を越えた比較や類似性評価が可能となる。
今後は、新機能を順次「VOYAGER」に搭載していく予定で、海外の研究拠点へ本格的に展開していく計画だ。
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