OpenAIからAIエージェントを簡単につくれるノーコードツール「Agent Builder」が登場

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10月6日のOpenAI DevDay2025という、OpenAIが開発者向けに開催しているイベントで、AIエージェントをプログラムの知識なしに作れるツールが公開された。

Agent Builderとは?

そもそもAIエージェントとは何か?

人が自然言語で質問を投げかけると、それに答えてくれる、というものだ。

いわゆるAIチャットボットを思い浮かべる人も多いはず。

しかし実際は、そこにとどまらず、メールを受け取ったら、自動的に会議を調整してくれたり、業務処理をおこなったらデータ分析をしてくれるなど、さまざまな業務処理を自動化してくれるものでもある。

では、今回登場したAgentBuilderは何ができるのだろう?

このツールは、いわゆる業務フローをドラッグ・アンド・ドロップで行うだけで、複雑なワークフローが構築できるツールだ。

ここまでであれば、これまでもそういったツールは存在したのだが、AgentBuilderの場合、まだ出たばかりということもあり、機能は他のDifyやn8nから見ると見劣りする。

実際の画面イメージ

Agent Builderを使うには、まず以下のURLからログインする必要がある。

https://platform.openai.com/agent-builder

ログイン画面をみるとわかるように、さまざまなテンプレートがすでに準備されている。

関連する業務フローを作りたい場合は、テンプレートを選んでカスタマイズするだけで、本格的なエージェントが作成可能となる。

実際に操作してみると、上の図のようにペタペタと要素を張り込んで、要素同士を繋ぐだけ。

あとは、要素の中身を書き込むわけだが、条件分岐をいれたり、可能な外部システムと連携したり、さまざまな種類のChatGPTを呼び出したりとさまざまなことが簡単に可能となる。

接続可能な外部システムの一例をあげると、MS SharePoint, Google Workplace, Box, Teams, Webサイト、社内ドキュメント、社内システムなど、多くのシステムと連携が可能になる。

ただ、実際に試してみたところ、うまくつながらないケースが散見されたので、今回のイベントに合わせて準備が間に合っていないのではないかと感じた。

さらにいうと、業務に使うとなると、国内のソリューションや、SAP、Salesforceなどメジャーな業務システムへの対応も必要だが、ここはまだ対応されていない。この辺は時間が立つことで対応ソリューションは増えていくことが想像される。

これから起こること

現状、生成AIと相性の良いのは、ワードなど文書系のデータだ。

企業において、文書系のデータについては、情報共有ツールで一箇所に集められていることが多く、また、権限設定さえすれば生成AIからアクセスしやすいこと、さらに、人が理解しやすいフォーマットとなっているからだ。

今回のAgentBuilderを見ていても、こういった情報へのアクセスや、データのアップロード、ウェブの検索などは一通り簡単にできるようになっている。

一方で、企業の情報システムはというと、さまざまな部署が所持するローカルなデータは、そもそもどこにあるのかを情報システム部門が把握をしていないケースもあるし、システムにアクセスできたとしても、生成AIが参照することができる状況ではないことも多い。

また、データが参照できたとしても、そのデータは値しかなく、ラベルがついていない。

たとえば、「気温20℃」を表す値は、「20」であって、ラベルは「気温」単位は「℃」となるが、データだけをみてもそれを類推することはできない。

逆に言えば、エージェントにどんなデータを参照させて、どんな回答をさせるのか?さえ決められれば(または、参照させるデータがあれば)あっという間にエージェントができてしまう。

これまで、AIサービスを高額な開発費用を支払って作っていた企業は、自前もしくは安価に作れるようになる。

逆に言えば、これを利用しない手はないのだ。

もともとネットでの検索サービスを提供しているような企業は比較的取り組みやすいが、社内のデータが散らばっていたり、外部からのアクセスを許容できないような仕組みになっている場合は、大手術が必要になるかもしれない。

多くの国内企業が、企業内のデータを整理できている状況とは言えないが、ここでデータの整理に着手しなければ、AIを使った生産性向上や自動化を実現していく企業との間の差は開く一方で、それは結局、競合との価格競争などで遅れをとる結果につながる。

逆に、データドリブン経営を標榜し、地道にデータの所在をつまびらかにしてきた企業にとっては、大きなチャンスとなるだろう。

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