ドイツ、ベルリンで行われている家電ショーIFA2018のレポート第4弾は、ヘルスケア関連プロダクトについてだ。
IoTでウエアラブルというと、Fitbitのようなウエアラブルバンドをイメージする方も多いとおもう。
年始のCESでもウエアラブルバンド系から始まり、スポーツテックやベビーテックといった、多くの派生プロダクト分野を見てきた。
今回のIFAでは新製品が登場しているものの、特に目新しいものはなかった。
現状、医療やスポーツの中でもアスリート向けのテクノロジーといった専門領域を除くと、一般消費者向けにセンシングできる余地は、なかなかないのだろうなという感触だ。
新しいFitbit Charge3
Chargeシリーズの最新版であるCharge3は、24時間心拍状態をトラッキングするという基本機能に加えて、Fitbit Payという電子決済に対応し、水泳時にも使えて、最大7日間充電せずに使えるということだ。
細かなことだが、画面の端とバンドの接続部分に角度をつけたことで、腕につけた時バンドが浮かない機構になったという。
さらに、左側全体がボタンになっているので、押しやすく、操作性の向上も実現されたということだ。
家電ともつながるスリープテック Sleepace
Sleepaceは、枕や布団のシーツの下にいれて使う、睡眠状態取得デバイスだ。
これを使うことで、睡眠の状態がわかるのだが、この手の製品として珍しいのは、例えば眠りに落ちたことをSleepaceが認識すると、電気が消え、カーテンが閉まるといった、スマートホームのデバイスと連携することができるというところだ。
すでに、日本でもフランスベッドの一部商品に内蔵されているということだ。
続々登場する、ヒヤラブルデバイス Jabra Elite65t
iPhoneが標準のワイヤレスイヤホンを出して以来、ヒヤラブルデバイスに関しても新しいプロダクトがたくさん生まれてきている。
最近の流れとしては、電池の持続時間や防水性、音声応答といったところに注目が集まっている。
Sabra Elite65tについては、 Alexa、Siri®、Google Assistant™への対応が実現できていてる。
消費者ニーズに合わせた商品のマイナーチェンジが進んでいる
ウエアラブル関連商品は、他にも多数展示されていて、それぞれ細かな消費者ニーズに応えようとしていることが想像できるプロダクトであった。
生体をトラッキングするにしても、できることに限界があり、表示領域や電池の問題からアクチュエートすることも簡単ではないという課題がある一方で、今後、部分的にコグニティブ技術や、機械学習などを取り込んだ製品や、決済など持ち運んでいるからこそあると便利な機能が付いてくると思われる。
IFA2018レポート
第一回:家電のイノベーションは起きるか
第二回:見えないところで起きている、家電の「Co-innovation」
第三回:ロボティクスとAIを活用したプロダクト
第四回:踊り場にきた、ウエアラブル関連プロダクト
第五回:IFA NEXTでみたスタートアップ製品
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。