有限会社mode-Duoは、同社が開発したAI・画像解析技術を応用した残食調査支援システムの実証実験を実施した。同実証実験は、同社が運営する企業主導型保育園「ぼくのひみつきち」に在籍する12名の園児を対象に1か月間実施し、同システムの保育現場での活用の有効性を検証した。
同実験では、保育士が、スマートフォン(タブレット)端末のカメラを用いて食前・食後の配膳画像を撮影する。配膳画像と残食画像をもとに、残食の量と割合を画像認識技術により自動検知。別途入力した給食の献立情報から園児が摂取した栄養価を自動算出し、厚生労働省による推奨される1日の摂取栄養量と比較したデータを作成した。
園児の年齢によっては「推奨される栄養摂取量」が厚生労働省から指定されていない栄養素もある(ナトリウム、飽和脂肪酸、食物繊維など)が、管理栄養士の観点から把握しておきたいデータを取得するようにした。
検証の結果、園児が使用する食器の色や形、柄などによって食後の配膳画像の認識に多少の誤差は見られたが、管理栄養士が園児の好み・傾向を把握したり、保護者や現場保育士に助言する上で役立てるデータとしては十分な有用性が認められた。また、撮影方法を予め定めることで、スマートフォン(タブレット)端末の撮影でも十分残食量を検知できることが分かり、保育士が業務の慌ただしさの中で撮影したものでも一定の精度を保てることが検証された。
同システムは、引き続き自社運営の保育園「ぼくのひみつきち」で園児の残食調査・栄養摂取量調査に活用予定だ。そして、保育施設の他、病院・介護施設・給食センターなどへの供給を視野に、共同開発パートナー・業務提携先の検討などを行うとした。
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