ガラス製造は、溶解・成形・加工などの複数の技術が組み合わされており、操業には独自の技術力が必要だ。AGC株式会社では、技術力が他社との差別化に繋がっている一方で、各工場が蓄積したノウハウの共有や、熟練技術者から若手技術者への技能伝承が大きな課題となっていた。
AGCと株式会社FRONTEOは、コンピューター上にガラス製造の知見を集約し、AIを用いて簡単にその知見を引き出すことができる、AI Q&Aシステム「匠KIBIT」を共同で開発した。
「匠KIBIT」の主なプロセスは以下の通り。
- 質問:聞きたい質問を入力
- 学習:質問の特徴をFRONTEOが保有する自然言語解析AIエンジンであるKIBITが学習
- 評価:KIBITによるスコアリングを実施
- 回答:類似度の高い質問に紐付いた回答を質問者に提示
自動回答できなかった質問は、該当する熟練技術者をKIBITが推定し、その熟練技術者に対して回答依頼を自動的に通知し、回収することで、自律的にデータベースを拡充できる仕組みだ。同システムは2017年より国内ガラス製造拠点でトライアルを開始し、月間300件以上の利用があるという。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!
大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。