ソラコムの年次イベントであるSORACOM Discovery 2020は、新型コロナウイルスの影響でオンラインで行われた。
そのレポートの第二弾は、新機能となる「サブスクリプションコンテナ」についてだ。
実際、SORACOM利用の成功事例ともいえる、ポケトークにおいて、この「サブスクリプションコンテナ」は使われているのだという。
ポケトークのように、いろんな国をまたいで利用するのが前提となっているサービスの場合、国が変わったからと毎回SIMの情報を乗せ換えるのは面倒だ。
ある国に上陸したらすぐ使いたいし、設定もしたくないというのが利用者のホンネではないか。
こういう時に使うのがこの、「サブスクリプションコンテナ」だ。
サブスクリプションコンテナの仕組み
まず、「コンテナ」という言葉だが、これは技術用語で、コンピュータのOSの上に、コンテナエンジンというものを配置する。そうすると、そのエンジン上で小さいプログラム等(コンテナ)が動くというものだとイメージしてほしい。
これをSIMの機能として実現するということなのだ。
ご存知の通りSIMとは通信をする上でのチップで、皆さんのスマートフォンにも指している小さいものだが、この小さいSIMの上に小さなコンテナを載せられるようにするという考え方が今回の発表だ。
では、何のコンテナを載せるのか、ということだが、ここには「契約回線」を入れることになる。
こうすることで、例えば、グローバル企業の自動車のメーカーが販売した自動車にSIMが入っているとする。
そして、その車が別の国に異動した際、このSIMは、別のキャリアのSIMとして自動的にアクティベートするといった具合になるので、利用者はそれを意識する必要がない。
なお、すでに提供されているSIMであっても、SORACOMユーザコンソールから操作するだけで利用可能となる。
アジア・パシフィックエリアに最適化されたplan P1、日本でリーゾナブルに利用できるplan X1が利用可能ということで、それぞれのプランでは以下のようだ。
特に国内では、90%オフになるということなので、設定しない手はなさそうだ。(追加サブスクリプション毎に3.0USDの初期費用と1.8USDの月額利用料はかかる)
基調講演においても、グローバルを意識した発言が増えてきた、ソラコムだが、グローバル企業においてほしい機能がどんどん追加されることで、世界を相手にしたサービスに弾みがつきそうだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。