10月5日、Line株式会社は「Clova WAVE」スマートスピーカーの公式販売を開始した。
発売発表会では取締役・ CSMO舛田 淳氏は正式版デバイスや追加された機能の説明を行った。
https://www.youtube.com/watch?v=mn4QDtOJAnI
8月末にLine社はスマートスピーカーの先行体験版販売を行い、先行販売は予約開始から5日間でスピーカーが完売されたという。先行体験版を試したユーザーからの評価やコメントを得て、正式版ではハードウェアのスペックは変わらなかったが、様々なアップデートと、新しいClova skills(Clovaの機能)が追加された。また、公式名は「Wave」から「Clova Wave」に変更されたということだ。
正式版の「Clova Wave」のトークスキルはアップグレードされて、「連続会話」ができるようになった。
また、会話を止めたい場合は、「Clova、さようなら」というコマンドも使えるようになったという。
さらに、「ASKスキル」に「人物事典」や「百科事典」のデータベースが用意され、Clovaはユーザーの様々な質問に対応できる。さらに、Line社は継続的にデータベースを拡張していくつもりだ。
先行体験版でも連携されていたLine musicサービスでは、指示された曲や雰囲気に合った曲の再生、ユーザーのプレイリストを学習してレコメンド曲を提供すること以外にも、「Clovaプレイリスト」をアプリで確認できるようになった。
さらに、Lineは「radiko」と提携し、音声でのラジオ再生も可能になる。
日本でのスマートホームはまだ初期段階であるが、今回のアップデートで、赤外線を使っているリモコン、照明やエアコンをClovaによって音声コントロールができるようになる。
さらに、Lineは「Daily Informationスキル」を拡大した。Line newsサービスと連携し、毎日のニュースダイジェストをClovaに読み上げてもらったり、登録された位置情報に基づいた天気情報や、生年月日を登録すると占ってくれるサービスが利用可能となる。また、時計とアラーム機能にタイマー、メモ、カレンダーやスケジュールという機能が追加され、ブリーフィング機能でまとめて教えてもらうことができるようになる。
舛田氏によると、「今回の正式版で最も需要なアップデートであるのはLine家族アカウントの導入だ。Line家族アカウントに友達を追加し、Clovaに音声で家族アカウントにメッセージを送ったり、届いたメッセージを読み上げてもらうことが可能だ。」という。
スマートスピーカーは、使えば使うほどビッグデータが収集され、AI 学習によって精度や品質が上がる。また、パートナーとの提携によって機能も増加するため、一年後のスマートスピーカが提供できるサービスの価値が上がるという。
子供の声の認識、呼び出しの精度向上やノイズキャンセルなどの追加されたスキル
さらに、この1-2か月でスピーカーがユーザーを声で識別し、それぞれのアカウントを呼び出すような機能を追加する計画だ。また、Line が通訳・翻訳ボットを運営し、今度はClovaに翻訳機能(日本語→英語、中国語、韓国語)をも追加する予定だという。
現在LineはClovaで経路検索や運行状況確認、フードデリバリー、日常品ショッピング、童話朗読やタクシーを呼ぶサービス提供を開始するため、準備を進めている。
「Clova Wave」の本体価格は14000円で、先行体験版の時に発表された価格より値下げられた。現在「Clova」公式サイト、Amazon、および楽天で購入できる。10月末以降から家電量販店でも販売開始を予定している。
また、2018年1月31日までのキャンペーンで「Clova WAVE」本体と「LINE MUSIC」12ヶ月聴き放題セットを12,800円で販売するということだ。(ちなみに、通常、LINE MUSICの月額は960円だ)。
一方、Google HomeとGoogle Home Miniの国内販売が開始され、さらにアマゾンはAmazon Echoを2017年内に日本で販売する計画を発表し、国内スマートアシスタント市場での競争は急に激しくなるだろう。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。