5Gや6Gといった高い周波数帯の電波は、直進性が強いため、遮蔽物により基地局のアンテナが見通せない場所での通信エリア化が課題となっており、その解決に電波の反射の活用が期待されている。
そうした中、日本電信電話株式会社(以下、NTT)と株式会社NTTドコモは、「電波反射方向を制御するメタサーフェス反射板(以下、RIS反射板)」と、28GHz帯5G基地局(以下、基地局)を用いて、ユーザーの動きに合わせて基地局からの電波の反射方向を動的に変更させる実験に成功したことを発表した。
今回の実証実験では、NTTにて研究開発した反射制御技術を適用したRIS反射板を用い、ドコモが屋内エリア設計と基地局運用を行い、RIS反射板の屋内での有用性を確認。RIS反射板は、開発元であるAGC株式会社の実験協力のもと運用された。
具体的には、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波を、RIS反射板が適切に電波の反射方向を制御することで、移動する受信機での受信電力を広範囲に改善できることを確認。
これにより、移動するユーザーに電波を届けることが可能となり、遮蔽物により基地局のアンテナが見通せない工場やオフィスなどでも高周波数帯の電波を利用することができるようになる。
今回の実験で使用されたRIS反射板は、2021年11月16日から19日に開催予定の「NTT R&Dフォーラム―Road to IOWN 2021」にて展示予定だ。
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