熊本県の小国町森林組合では、小国町の約78%を占める森林で育ったブランド杉「小国杉」の販売を行う原木市(※)を1年間に25回実施・運営している。原木市の競りでは、原木ごとの希望購入金額を入札票に書いて森林組合の職員に渡し、入札票の中で最高値だった業者が落札者として口頭で呼び出される入札方法だった。
しかし、このようなアナログ方式では、毎回約1,000枚使用する入札票の準備、入札票の配布・収集、落札者を選出する時間が発生していた。落札した業者の入札票に記載された金額は、原木市終了後に事務所のパソコンを使ってデータシートに記録し、請求作業や平均価格算出の変化による市況の算出する必要もあり非効率だった。
電子入札アプリは、買付業者が入札時に自身のスマホからアプリ上で入札希望額を入力・送信すると、森林組合職員のスマホに入札情報がリアルタイムで表示する。入札価格の自動ソート機能により最高値の確認や落札者判定の効率化がされ、アプリ上で森林組合職員による最高落札者の判定が完了すれば、落札した買付業者に自動的に落札通知が送付される。
さらに、原木市で入札される全買付業者の入札データはクラウドに保管されるため、需要の高い原木のサイズや性質に関する傾向分析も容易となり、伐採時の現場作業の指標や山主への還元も可能になる。
※ 原木市:樹種・長さ・品質等に仕分けられた原木をセリや入札により製材工場や木材販売業者が買い取ることができる市場。
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