株式会社DATAFLUCTは、デジタル庁が企図する「デジタルツイン構築に関する調査研究」において、株式会社竹中工務店が実施した「地図・GIS 実証担当③(BIM データ連携サイバーフィジカルシステム)」に参加し、デジタル庁Webサイトでその内容が公開されたことを発表した。
竹中工務店が実施した「地図・GIS 実証担当③(BIM データ連携サイバーフィジカルシステム)」では、「建物空間ID分析基盤(BSAP)」「ロボット走行の最適化ロジック」「広告価値算定ロジックの適用」の3つの項目が開発された。
「建物空間ID分析基盤(BSAP)」では、ボクセル化した建物データ(形状・属性・設備)の格納や、ToFセンサから取得する人流データを用いた混雑情報の予測モデルの作成、上記建物データのボクセルIDを空間IDに変換することができる。
「ロボット走行の最適化ロジック」では、建物形状(物理的な障害物)と人流データ(論理的な障害物)を元にロボットの走行を最適化する。
「広告価値算定ロジックの適用」では、ToFセンサから取得した人流データを用いて、ボクセルごとの注目度を算出し、空間ごとの持つ広告価値を分析する。
DATAFLUCTは、「地図・GIS 実証担当③(BIM データ連携サイバーフィジカルシステム)」において、竹中工務店の「ビルコミ」で取得したコモングラウンド・リビングラボのデータおよびBIMデータを活用し、空間ID変換・データ分析・分析結果の外部データ基盤連携(本実証では、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社のデータ基盤)の3つの施策を行った。
一つ目の施策は、建物空間ID分析基盤BSAPの構築だ。
竹中工務店が提供するビルOS「ビルコミ」から屋内外に設置されているToFやLiDARなどのIoTセンサを取得し、空間IDに紐づけ、屋内外の建物の様子を建物空間ID分析基盤BSAPに登録した。
二つ目の施策は、モートンオーダーのボクセル座標系の空間IDへの変換だ。
取得後のIoTセンサ値を、実証においてはローカルのボクセル座標系においてモートンオーダーを活用した。
モートンオーダーを活用することにより、Bit演算が行えるため、後工程の混雑度予測で簡易にボクセルサイズを変換しながら検証することができる。
三つ目の試作は、人流データの混雑予測モデルだ。
変換後のIoTセンサ値やセンサ値を解析した統計値をもとに、混雑度予測を実施した。
空間の特徴を空間IDごとに保持させることで、人が混雑しやすい空間の特徴が抽出され、個別のボクセル毎に作成するモデルよりも、汎用性のあるモデルで行った混雑予測の方が、高い精度で混雑予測ができるようになった。
なお、この実証では、DATAFLUCTのデータ基盤サービス「AirLake」を活用しており、「空間ID」の実装によって、建物内の混雑エリアの予測や、建物内の特定エリアにどのような属性の人がいるかの把握が可能となる。
そして、その結果を、「掃除や配達を行うロボットの走行ルート決定」や「エリアに最適なデジタルサイネージ広告を表示する」などに活用できる可能性が示された。
今後は、実証で得られた知見を活用し、空間IDをはじめとしたデジタルツイン領域に「AirLake」を活用することを目指すとしている。
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