第5世代移動通信システム(以下、5G)は、従来の移動通信システムを発展させた「超高速」だけでなく、「多数接続」、「超低遅延」といった新たな機能を持つ次世代の移動通信システムであり、IoT時代のICT基盤としての発展が期待されている。この5Gを実現するために、新しい周波数として高速大容量通信が可能な28GHz帯等のミリ波の利用が各国で計画されている。
今後、携帯基地局向けや顧客構内端末設備(以下、CPE)向けに、重要な構成要素であるミリ波RF-IC(※)・RFモジュールの需要の飛躍的な拡大が見込まれる。総務省発表資料によると、2024年度末までに国内の5G基地局等の投資額は合計1.6兆円を超える規模となることが見込まれ、また28GHzの基地局の面積あたりの数は、現在の数100倍になるとの試算もある。
このような中、株式会社フジクラは、米国International Business Machines Corporation(以下、IBM)から5G関連のミリ波RF-IC技術のライセンスを受けることで合意し、これに基づいて次世代のミリ波RF-ICの製品開発を行うと発表した。
今回の合意により、フジクラはIBMのチップ及びパッケージ設計とフジクラの基板技術・アンテナ技術を組み合わせ、次世代の28GHz帯RF-ICを開発する。フジクラは、自前のRF-IC製品を確立することで、高性能な5G向けミリ波無線通信デバイスの開発を加速する。また、フジクラは、IBMが保有するRF-ICに関する特許の実施権を得て、RF-IC・RFモジュールを携帯基地局ベンダやCPEベンダ向けに提供する。
※ Radio Frequency Integrated Circuit、高周波IC
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