ソラコムの年次イベント SORACOM Discovery2021レポートの第9弾は、様々な機能面でのアップデートについてだ。今回、このアップデート情報について、ソラコム執行役員 プリンシパルソフトウエアエンジニアの片山氏より説明があった。
IoTプラットフォームの機能改善
SORACOM Lagoonの可視化機能改善
SORACOMには、デバイスから集めたデータを蓄積する「Harvest」というサービスがあるが、「Lagoon」は、そのデータを簡単に可視化するサービスだ。
これまでも、ちょっとデータをみたい場合などに重宝されてきた機能だが、今回の発表では「可視化機能に円グラフが追加」と「サンプルデータソースの提供」が発表された。
また、演算処理においては、平均値などの計算も行えるようになった。
SORACOM Peek for SIM
SORACOM Peek for SIMは、SIM単位で通信内容をキャプチャし、その場で流れているデータをダンプしたり解析をすることが可能になる機能だ。
通常、パケットキャプチャなど別の設備が必要になるところだが、これをプラットフォームの機能として提供することとなる。
デバイス ping機能
デバイスの死活監視などの目的で、デバイスに対してpingをうつけーすがあるが、今回のアップデートでは、pimgを管理画面から送信できるだけでなく、API呼び出しによってpingを打てるようになった。
SORACOM搭載の新しいデバイス
これまでも、GPSマルチユニットや、Grove IoTスターターきっと、LTE-M Buttonなど、いくつものデバイスをリリースしてきたソラコムだが、今回も新しいデバイスが発表された。
Android搭載IoTデバイス「Acty-G3スターターキット」
GPS、ジャイロセンサー、加速度センサーなどがついた、bluetooth通信も可能なAndroidを活用したエッジデバイスだ。
Andoroidに対応したアプリを搭載することもでき、LTEが設定済みなので、すぐに使えるということだ。
LTE-M搭載 CO2センサー「RS-LTECO2 スターターキット」
このデバイスでは、CO2濃度だけでなく、温度や湿度を測定し、定期的に送信することができる。
SORACOMの設定も完了しているため、すぐに利用開始することができる。
S+ Camera Basic Smart Edition
S+ Cameraにソニー製のイメージセンサー「IMX500」を採用することで、カメラ自体でエッジAI処理ができるようになった。
イメージセンサーに独自アルゴリズムを搭載することも可能だ。従来以上に早いエッジ処理が可能となる。
運用負荷軽減のための診断機能
運用をしていると様々な問題が起きるが、今回発表されたのは、通信のトラブルシューティングを自動実行する機能だ。
通信履歴や情報をもとに、診断を行い、解決のヒントをお客様に提示するものだという。
特に、セッションが確立されていない場合や、データ通信がない、といった状況などをおしえてくれる。
この機能は無料で提供されるということだ。
大企業のDXを加速させるサービス
本格的に大企業の業務や、ミッションクリティカルなシーンでも使われることの増えたソラコムのIoTプラットフォームサービス。
今回の発表では、そういったエンタープライズを意識したサービスもリリースされた。
API監査ログ エンタープライズオプション
システム運用をしていると、監査ログを残す必要があるが、今回ユーザコンソールやAPI操作ログを1年間保存、期間と種別を指定して一括ダウンローづすることができるようになった。
プライオリティサポートプラン
また、月額10,780円または、月額利用料の5%のいずれかのうち高い方の金額を追加で払うことで、営業時間内での優先対応と初回応答時間の保証を行うサービスを開始するとした。
開発・運用時の問題の切り分けが難しいなどの場合などに心強い。
エンタープライズサポートプラン
さらに、個別見積もりの上で、大規模・ミッションクリティカルな利用者に対するサポートプランも発表された。
このプランでは、24時間.365日サポート対応だけでなく、Webフォームだけでなく電話窓口での対応もしてくれる。
重要度に応じた初回の対応や障害報告書の提示、専任技術者のアサインといった、エンタープライズシステムを保守・運用する際によく依頼があるような内容を網羅した。
このプランの申し込みはサポート宛リクエストでできるとのことだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。