企業ネットワークにおけるクラウドサービス利用が加速し、ネットワークを構成する機器の運用・管理の重要性がますます高まっている。
従来、各地に支店や営業所など拠点を持つ企業においては、ネットワーク機器の状態監視や設定・ファームウェアの変更のために、各拠点に置かれたネットワーク機器一台一台に対して個別に作業を行うことが必要だった。内容によっては現地での作業が必要となる場合があり、拠点数が多く全国に展開している企業にとっては大変な負担となっている。
また、SaaS(※1)利用増加に伴う企業ネットワークのセンター回線の輻輳解決に不可欠なローカルブレイクアウト(※2)機能の利用において、LBOポリシー(※3)の更新や各拠点機器への配布運用が課題となっている。
古河電気工業株式会社(以下、古河電工)は、ルータブランド「FITELnetルータ」を統合管理し、ネットワークの運用・管理負荷を低減するクラウド型サービス「Fらくねっと」の提供を開始した。
Fらくねっとは、ネットワークを構築する複数のFITELnetルータをクラウド上で統合管理し、装置状態やトラフィック量の監視、機器の設定やファームウェアの履歴管理・一括変更などを管理画面上で容易に安全に行うことができるクラウドサービスである。ネットワーク管理者はFらくねっとにログインするだけで、各拠点に配置された複数機器の情報を一元的に管理し、運用負荷を軽減する。
また、インタフェースのステータス情報やトラフィック量、ログ一覧、CPU/メモリ使用率等のリソース情報を見える化することによって、装置異常を一目で判断が可能となる。過去に遡っての参照も可能であるため、異常が発生したタイミングからの装置状態を追跡できる。さらに、機器の設定やファームウェアの変更履歴も管理することができる。
※1 SaaS(Software as a Service):クラウドで提供されるソフトウェア。クラウド上でソフトウェアを稼働させ、ユーザーはネットワーク経由でソフトウェアを利用できる。
※2 ローカルブレイクアウト(LBO):OSアップデートなどSaaSへのアクセスによる特定のトラフィックの帯域占有を、企業内のネットワークとデータセンタを介さず、直接インターネットに流す構成。
※3 LBOポリシー:どのようなトラフィックを企業内のネットワークとデータセンタを介さず、直接インターネットに流すかを定義した情報。
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