日本電気通信システム株式会社(以下、NEC通信システム)は、同社の空間認識ソリューションのラインナップとして、新たに3Dセンサを活用して特定エリアの不定形堆積物を計測する「NEC 3次元体積計測ソフトウェア」を製品化し、2023年10月23日より提供を開始する。
「NEC 3次元体積計測ソフトウェア」は、RGBカメラに比べ、夜間・荒天等の悪条件下でも使用できる3Dセンサから深度(距離)情報を取得し、独自の体積計測技術で分析・数値化するサービスだ。
計測した結果は、離れた事務所に置いたPCで確認できるため、工場で使用する原材料などの堆積物の残量点検作業を行う際、現場に行かなくても体積の可視化ができる。
具体的には、あらかじめ原材料の密度が分かる場合は、計測した体積からの重量算出や、設定した計測エリア全体に対する堆積物の占有率算出が可能だ。
堆積物の形状は、理想的な円錐形である必要はなく、一部の欠損や不定形な凹凸があっても測定することができる。
撮影時、堆積物手前に死角がある場合、死角を除去して堆積物の形状を補間し、体積を予測計算できる。
例えば、計測したい堆積物の手前に柱などの死角がある場合や堆積物の裏側が見えない場合、ヤード端の壁に寄せて堆積している場合でも、死角を除去し堆積物の形状を補間する。
また、山のように積み上げるか、または奥からくさび型のよう積んでいくか等、運用に沿った堆積方法を選択することで、死角となる部分を補間し、計測できない部分を補う。
さらに、原材料の密度情報があれば3Dセンサで計測した体積から重量も算出が可能なため、例えば、供給量と生産量との整合性も見える化することができる。
1台の3Dセンサで複数設定したエリアを同時に計測可能なほか、広大な敷地の場合は、複数の3Dセンサで多角的に撮影し、一つのエリアとして測定することも可能だ。
体積計測は、時刻や周期を指定することで周期計測し、その結果を保存する。指定期間ごとの画面表示の他、CSVファイルとして出力もできるため、堆積物の増減を統計的に把握することも可能だ。
販売価格は、機材・導入費を除いて、税別175万円からとなっている。
今後は、体積計測技術を応用し、工場における堆積物の計測、工事現場の残土把握などに加えて、様々なシチュエーションで活用できる機能拡張と対応する3Dセンサの機種増加を予定している。
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