国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)先端フォトニクス・バイオセンシングオープンイノベーションラボラトリ テイラー ジェームス 主任研究員、畔堂一樹招聘研究員、藤田聡史副ラボ長、大阪大学大学院工学研究科 藤田克昌教授、雪印メグミルク株式会社 塚越詩織研究員、田中礼央主査は、ラマンイメージングと機械学習でマーガリンの品質や乳化状態を化学的な定量性に基づき評価する解析技術を開発した。
今回開発された解析手法は、ラマンイメージングと機械学習が用いられており、乳化剤の含有量、製造工程やマーガリンの保存期間などの品質に影響するパラメータに対して、マーガリンの微細構造や分子分布がどのように変化するのか可視化し、マーガリンの品質を化学的な定量性に基づき評価した。
その結果、油脂相に形成される水素結合がオイルオフと正の相関関係をもつことが明らかになったほか、製造工程における条件がマーガリンの微細構造と分子分布、オイルオフにどのような影響を与えるかについて、定量的な解釈を与えることができた。
これにより、マーガリンの口どけなどの制御に加え、品質管理、商品改良などを行う際の実用的な品質評価技術として利用することが期待されている。
今後は、マーガリンだけでなく、一般に液体成分が多く含まれる食品の検査や、製薬やその他の分野での展開も検討しているとのことだ。
なお、この技術の詳細は、2024年11月20日の「Food Chemistry」に掲載されている。
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