日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、ユーザが特別なデバイスを身につけることなく、空中にリアルで多様な触感を提示できる新しい技術を開発したと発表した。
この技術は、超音波を皮膚に集中させることで生まれる強い力の感覚に、特定の周波数の振動を加えることで、何もない空中に力強く多彩な触り心地を提示するものだ。
超音波で生まれる力の感覚を増強する刺激条件が振動でなく回転であることを特定し、複数周波数の超音波による刺激を自在に合成することで、多彩な触感を生み出す超音波触感シンセサイザを考案した。
これにより、「つるつる」「さらさら」「ざらざら」など、多彩な触感を生み出すことができる。
この技術を発展させることで、デバイスの装着なしにリアルな触感が感じられるXR体験の実現に貢献し、将来的には、遠隔でのソーシャルタッチやふれあい体験の実現につながる技術であるとしている。
今後は、人が様々な物体に感じる触感の忠実な再現や感じられる力を強める触覚の仕組みの解明に加え、人間の脳が触感を知覚する仕組みの解明にも発展させていく計画だ。
なお、この研究の成果は、触覚分野の国際会議「Eurohaptics conference 2024」で発表され、Best paper awardおよびBest demonstration awardにノミネートされたとのことだ。
また、5月20日より開催される「コミュニケーション科学基礎研究所オープンハウス2025」に出展する予定だ。
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