ロームとQuanmaticは、半導体製造のEDS工程において、量子技術を活用することでセットアップ時のロスを40%削減したと発表した。
今回半導体製造に導入したのは、量子計算技術効率化のプロダクト群や、量子と古典計算技術を駆使した計算フレームワーク及び専門的な定式化技術に、知見・ノウハウ・各種データを融合させた最適化計算システムだ。
このシステムを、2024年4月よりROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)にて本格導入を完了し、今回の成果に至った。
この結果を受け、両社は、より大規模で複雑な前工程に対しても同様に量子技術を活用した最適化計算システムを導入できないか協議を開始した。
また、EDS工程での実証・導入で得られた知見を活かすことで、短期間で効果的な構築に成功し、2025年1月にプロトタイプが完成した。
2025年4月には、ローム浜松の一部エリアで実証実験に成功し、今後の本格導入に向けて検討を進めているのだという。
両社は、引き続き連携を深めるとともに、前工程、EDS工程両方における複数工場への展開を目指して取り組む計画だ。
ローム株式会社の取締役 上席執行役員である立石哲夫氏は、「今後は、より大規模で複雑な前工程をはじめ、更に多くの工程や生産拠点で量子技術やその関連手法の導入を加速し、サプライチェーン全体の最適化を進めることによって、安定的かつ効率の良い供給体制を目指す。」と展望を語っている。
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