GSMアソシエーション(以下、GSMA)は10月16日、インドサット、テレツー、テレフォニカ傘下のヴィーヴォが、GSMA組み込み型SIM(GSMA Embedded SIM)仕様に基づく商用ソリューションをリリースするモバイル事業者に仲間入りしたと発表した。
GSMA組み込み型SIMは、スマートメーターやコネクテッドカーなどの機器間(M2M)デバイスのリモート無線管理プロビジョニングのための仕様だ。
現在、グローバルM2Mアソシエーション(GMA)やM2Mワールド・アライアンスの会員企業を含む23社のモバイル事業者がこの仕様を支持し、世界各国の11事業者が既に商用ソリューションをリリースしている(*1)。
相互運用可能な単一の共通仕様を採用することにより、市場の断片化が低減し、2020年までに1兆1000億米ドル相当の規模になると予想される急成長中のIoT市場からモバイル業界はメリットを得ることができる。
GSMAインテリジェンスの調査報告書によると、世界のM2M接続件数の75パーセント近く(*2)のサービスは現在、GSMAソリューションを導入しているか、導入を約束しているモバイル事業者によって提供されており、この仕様に対する気運を浮き彫りにしている。
アナリスト企業のマキナ・リサーチが発表した調査報告書でも、組み込み型SIMの接続件数が、2020年までに新規のセルラー接続全体における組み込み型でシェアの25%を占めることが確認されている。
プロファイルの相互運用性とテスト仕様のアップデート
GSMA組み込み型SIM仕様の最新リリースには、「プロファイル相互運用性」と呼ばれる機能が含まれている。
これは、事業者がSIMプロファイルを作成し、このプロファイルをメーカーに関係なくどの準拠eUICCにでもダウンロードできるようにするものだ。
この機能を使用すると、事業者は接続するM2Mデバイスの数を簡単に増加できるため、市場の開放、断片化の低減、相手先商標製品製造会社やM2Mサービスプロバイダーの商業上の柔軟性の増大につながる。
また、GSMAは製品の適切なセキュリティーレベルとGSMA組み込み型SIM仕様への準拠を保証するための新しいテスト仕様もリリースした。
モバイル360シリーズ・カンファレンスでGSMA組み込み型SIMを展示
GSMAのコネクテッド・リビング・プログラムは、2015年第4四半期にケープタウン、ドバイ、アトランタ、ブリュッセルで開催されるイベントのGSMAモバイル360シリーズで実施する。
ワークショップ、パネルディスカッション、基調講演を通して、コネクテッド・リビング・チームが、GSMA組み込み型SIM仕様の採用、低電力の広域ネットワークの導入、IoTネットワークセキュリティーの発展について検討する。
*1:商用ソリューションをリリースした事業者は、AT&T、ベル・カナダ、エティサラット、インドサット、NTTドコモ、オレンジ、テレツー、テレフォニカのヴィーヴォ、テレフォニカ・グループ、テリアソネラ、ボーダフォン。
*2:GSMAインテリジェンスによると、2015年第2四半期時点で、GSMA組み込み型SIM仕様の利用開始を約束した全事業者のセルラーM2M接続件数は2億7300万件あり、世界のセルラーM2M接続件数全体の75%を占めている。
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