中国Huawei technologiesのASICデザインセンターであるHiSilicon technologies社は、本年末にモバイルIoT機器向けチップとして、モバイル通信技術「Release14」規格に対応した「Hi2115」をリリースすると発表した。
同製品はベースバンドやトランシーバ、電源マネジメントユニット、アプリケーションプロセッサ、周辺メモリアプリケーションを搭載した第2世代のBoudicaシリーズチップとなる。異なる3GPP動作モード(DRX / eDRX / PSM)において低消費電力に対応した設計となっており、バッテリー寿命は最大15年まで延ばせるという。
またRFは450MHz~2100MHzの帯域で柔軟に動作し、すべての帯域の汎用モジュールSKUを含む多数のデバイス設計に搭載することが可能。
主なアプリケーションとして、以下が想定される。
- スマートメーターやスマートグリッド関連製品
- 交通管理及び交通監視システム
- セキュリティ機器やアセットトラッキング(位置追跡)システム
- 白物家電や自動サービスデータ及び自動診断システム
- 周辺監視及び制御システム
- 遠隔医療と患者のモニタリング
- スマートシティ関連製品(ゴミ処理管理、照明や害虫駆除の制御、ビルの室温調節、周辺監視など)
「Hi2115」の製品仕様は以下の通りだ。
- 3GPP周波数:450〜2180 MHz
- 3GPP Rel14 NB-IoTエアインタフェースとプロトコルをサポート
- 最大の結合損失:164dB(179 dBのリンク・バジェットに相当)
- 内蔵無線トランシーバ、プロトコルプロセッサ
- メモリ内蔵の専用アプリケーションプロセッサ(256kBフラッシュメモリと64kB RAM)
- 統合されたアナログアプリケーション周辺機器(温度センサ、静電容量式タッチセンサー、ADC、DAC、プログラマブル電流源、割り込みコンパレータ)
- 暗号機能用の統合secure core
- 統合シリアルインタフェース:UART、I2C、SPI
- 超低電力スリープモード
- ダイレクト・バッテリ動作のための内蔵パワー・マネジメント・ユニット
<Hi2115(Boudica 150)構成>
- 3GPP R13/14に準拠
- 5.8mm×5.8mm, TFBGA 121-pin
- メモリ
合計:2MB eFlash + 448KB SRAM
アプリ:256kBフラッシュ+ 64kB SRAM - 周波数帯
698〜960MHz(帯域5,8,20,28)
1710〜2180MHz(バンド1,3) - 設定可能な40GPIO
- 最適化された消費電力とBoM
【関連リンク】
・ファーウェイ(Huawei/華為技術)
・HiSilicon technologies
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。